研究課題/領域番号 |
09220219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
岩村 吉晃 東邦大学, 医学部, 教授 (20057508)
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研究分担者 |
田中 美智雄 東邦大学, 医学部, 助手 (00057738)
入来 篤史 東邦大学, 医学部, 助教授 (70184843)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | サル / 頭頂間溝前壁 / 上肢領域 / ニューロン活動 / 体性感覚受容野 / 視覚受容野 / 両側性受容野 / 異種感覚統合 |
研究概要 |
無麻酔サル頭頂葉中心後回の手指領域から単一ニューロン活動を記録した。その2、5、7野(頭頂間溝の前壁とその底部)には、両側性受容野をもつニューロンが多数存在するが(Iwamura et al 1994)、そのさらに内側部では、体幹、両腕、両肩の統合も行なわれていることを見出した(Taoka et al 1997,1998)。両手領域と両肩領域の間には前腕領域があるが、ここには、両側性ニューロンは少なく、むしろ体性感覚に加えて、視覚刺激にも応じるニューロンが集まっていることを見出した。これらのニューロンの体性感覚受容野は、身体の1ヵ所に限局するものと、互いに離れた2ヵ所以上にあるものとがあり、後者には両手、片方の手と反対側の肩などのように、両側を含むものがあった。また本来顔面の再現部位ではないにもかかわらず、顔面の一部、すなわち、顎、口周囲などが含まれているものもあった。視覚受容野は体性感覚受容野に近接あるいは空間的に一致していた。たとえば手のように移動可能な身体部分では、その移動とともに視覚受容野も移動した。その結果視覚受容野は、互いに離れた体部位が移動により近接して作られる空間に一致することもあった。視覚受容野は凝視点とは無関係であった。体性感覚と視覚統合型ニューロンのなかに、道具使用時に視覚受容野が道具にそって変容するニューロンがあった(Iriki et al 1996)。このように中心後回後部領域は体性感覚情報統合の最終段階の場であり、今後さらに研究を進めることにより、具体的に意味の分かる、さらに興味ある発見が得られるものと考えられる。
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