研究概要 |
今年度の研究は′(1)非球対称超新星爆発による元素合成′および(2)′中性子星の上限質量および白色矮星から中性子星への進化とフィズラ-過程′である. (1)非球対称超新星爆発による元素合成 系統的に大質量の超新星爆発に伴う非球対称爆発的元素合成を調べた.まだpreliminaryではあるが,10-50M【of sun】の星について計算を行った.超新星1987Aのprogenitorである20M【of sun】の場合すでに同様の計算を行っており質量数A=45,65付近の元素が球対弥の場合より過剰生産されていたが大質量星全般についてもこのことは確かめられた.放射性元素との関係では^<44>Ti(半減期47yr),^<59>Ni(半減期10^5yr)が球対称の場合より大幅に生成された.もし宇宙線が超新星起源であれば^<59>Niの電子捕獲は大幅に遅れると予想され、宇宙線中のNi/Co比が球対弥の場合と異なっている可能性がある.このことを今後定量的に調べることにより宇宙線起源と超新星の関係に新たな視点を与えられると結論した. (2)中性子星の上限質量および白色矮星から中性子星への進化とフィズラ-過程 中性子星の強磁場は宇宙線加速に役割を果たすが,中性子星の起源が最近見直されている.我々は超新星爆発なしで白色矮星から直接中性子星へ進化するシナリオの強い可能性を示すことに成功した.磁場と回転と中性子星の活動期は宇宙線の起源とも密接に関連しているはずなので,今後は磁場とフィズラ-との関係を調べていくことも必要である.
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