「ガンマ線で明るいBlazar」の多波長同時観測の解析を行うことにより、電波からTeVにまで放射が伸び、激しい変動を示す天体、の放射機構の解明を目的に研究を行なった。これまでに行った同時観測のデータに対して統一的な解析を行い、磁場、あるいは電子のローレンツファクターを定量的に評価する事に成功した。その結果νFν空間において、TeV領域にピークを持つ天体は、GeV領域にピークを持つ天体に比べて、高いエネルギーまで電子が加速されているという事実を明らかにした。 宇宙科学研究所の客員教授としてEGRETチームよりJ.Mattox氏を招聘し、本科研費の中で、EGRETのデータ解析のソフトの、日本側への移植を行った。その際、宇宙科学研究所に、これまでのEGRET衛星が取得したデータをすべて移植し、日本でEGRETのデータ解析ができる体制を整えた。こうすることで、ASCAのデータを解析するばかりではなく、EGRETのデータを自らの手で解析し、それとの同時フィティングを行うことができるようになった。こうする事で、一環した考え方と解析方法の元で解析を行う事ができた。さらに、「BL Lac」という天体が、光でフレアを起こしたのをとらえ、EGRET衛生と共にASCA衛星を用いて緊急観測(TOO)観測を行った。その結果、X線領域でもフレアをとらえる事に成功し、スペクトルの強度による変化など、貴重な観測結果を得ることができた(LAU サ-キュラー 6708)
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