研究概要 |
NN相互作用に対するUeda-Riewe-Greenのボゾン交換模型をSU(3)対称性を用いて、∧N及び∧∧相互作用に拡張した。ボゾンはpseudoscalar,scalar及びvector中間子がそれぞれSU(3)-nonetを作る枠組みを用いる。scalarとvector中間子は2つの中間子が相関状態で交換する寄与も含むものとして、扱う。この他にσ中間子を導入する。これは2つのπ中間子が相関及び非相関状態で交換する寄与のうちI=0,J^P=0^+の部分をeffectiveに表す。 この研究の目的はmicroscopicな模型を作るよりも多体系の研究に必要な有効理論乃至有効模型を構築することにある。ボゾンをeffectiveなものとする扱いとすることからくる不定パラメータは∧N散乱データとhypertritonのデータを組み合わせて解析することにより取り除いた。Hypertritonの計算には宮川氏(岡山理科大)の協力を得た。 我々の∧N相互作用に対する模型は∧N散乱のデータとhypertritonの結合エネルギーが再現されるように出来た。これを用いて^4_∧Hと^4_∧He結合エネルギーの差が肥山、上村氏(九大)等によって計算された。他の標準的な∧Nポテンシャルを用いた場合に比べて非常に良い結果が得られた。 又、我々は∧Nポテンシャルからユニークに∧∧ポテンシャルへの拡張をすることができて、それをdouble -hyper核(^6_∧_∧He、^<10>_∧_∧Be、^<13>_∧_∧B)に応用して∧∧separation energyを計算するとreasonableな実験値との一致があり既存の標準的な∧∧ポテンシャルによる結果よりもよい結果が得られた。double∧-hyper核の計算には山田氏(関東学院大)の協力を得た。 現在の模型は、∧N-ΣN結合及び∧-ΣΣ結合の効果はσの交換に含まれる扱いになっているが、今後この効果をexplicitに取り入れて行く必要がある。
|