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凝縮相の化学反応における量子トンネル現象の微視的理論

研究課題

研究課題/領域番号 09226205
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関筑波大学

研究代表者

安藤 耕司  筑波大学, 物質工学系, 講師 (90281641)

研究期間 (年度) 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード量子トンネル効果 / 化学反応理論 / 電子移動 / プロトン移動 / 溶媒動力学 / 分子シミュレーション
研究概要

1.メタノール溶媒中の有機色素分子の電子状態変化と溶媒和過程との動的結合に起因する吸収・発光スペクトルの微視的機構を理論的に解析した。非経験的分子軌道法と分子動力学シミュレーションを組み合わせた新手法を開発した。古典的シミュレーションデータからスペクトルを量子力学的に計算するための基礎理論を改良した。溶質の電子状態揺らぎによって溶媒和ダイナミクスはわずかに減速するのみであり、それを、溶媒座標の力の定数の変化のみから説明するのは適切でないことを明らかにした。さらに、メタノール溶媒の水酸基が示す量子トンネル効果が、スペクトル拡がりに及ぼす影響について議論した。
2.メタノール溶媒中の(外圏型)長距離電子移動反応について、現実的なモデルによる分子動力学シミュレーションを行い、従来無視されてきた溶媒の水酸基の振動モードが、溶媒再配置エネルギーには定量的にわずかに寄与するのみである一方で、速度論的には顕著な量子トンネル効果を示すことを明らかにした。電子移動速度の量子的エネルギーギャップ則について、水溶媒について過去に得た結果と比較しながら議論した。
3.水中のフッ化水素酸の電離の微視的機構を解析した。分子軌道(と摂動法による電子相関)計算とモンテカルロシミュレーションを組み合わせた新手法を開発した。室温程度では、電離に伴うプロトン移動は、トンネリングよりもむしろ溶媒分極の揺らぎに断熱的に追随する断熱機構で起こること、結合エネルギーと溶媒和との競合によって、この酸電離は吸熱的になることを明らかにした。また、分子振動を赤外レーザーで励起することにより、酸電離が加速される可能性を指摘し、シミュレーション結果に基づいて議論した。さらに、低温においては、プロトン移動がトンネル機構で起こり、それに水溶媒の振動が結合する可能性があるので、この現象を記述する基礎理論と計算手法について検討した。

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 安藤耕司: "Solvation dynamics and electronic structure development of counmarin 120 in methanol:A theoretical modeling study" Journal of Chemical Physics. 107・12. 4585-4596 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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