研究概要 |
宮城・山形両県にまたがる蔵王エコーラインに沿って雪線高度,積雪深,積雪密度の現地調査を実施し,データの蓄積をはかった.衛星データ,現地調査,気象ルーチンデータと熱収支・新バケツモデルの組み合わせによる積雪面積,雪線,積雪密度,土壊水分量,河川水温,地温の季節変化を求める方法を改良,発展させた. 森林と積雪が共存する状態に関して,可視・近赤外データによる積雪と植生密度を示す指標を提案した.基礎となるデータは,苗木を用いて森林密度と下の地表面状態を自在に変えて,可視・近赤外の分光反射特性の測定を行って得た.また,分光反射特性を再現できる多重散乱を考慮した放射モデルを用いて検討した.指標はそれぞれ可視・近赤外の3波長の放射データを用いている. 植生地について,赤外線放射計によって最適角度で側定した放射温度を使い,顕熱を推定する方法を開発した.この方法は植生群落が鉛直方向に温度分布を持っているため,放射温度が測定方向によって異なることを多層植生モデルにより計算から示し,最適角度と顕熱輸送係数を決めたものである.この方法を水平一様な水田に適用して検証した.また,NOAAの赤外チャンネルを用いて,水田に限られるが顕熱の分布を求めた.
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