研究課題/領域番号 |
09228211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
黒田 光太郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30161798)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 超塑性 / 塑性変形 / 難加工材料 / 透過電子顕微鏡法(TEM) / LaNi_5合金 / 変形挙動 |
研究概要 |
セラミックスや金属間化合物の多くは硬くて脆く、通常の条件ではほとんど変形することなく破壊してしまう難加工材料である。しかし、これらの材料においても、高温においてはかなりの変形を示すことが確認されている。本研究では、水素吸蔵合金であるLaNi_5の高温変形挙動について調べた。難加工材における超塑性現象を検討する基礎的知見を得ることを目的としている。 アーク溶解とゾーンメルトによってLaNi_5試料を作成した。X線回折によって六方晶系のCaCu_5構造であることを確認した。アルゴン雰囲気中で変形温度およびひずみ速度を変えて圧縮変形を行った。圧縮後の試料を薄片化して透過電子顕微鏡によって組織観察した。 LaNi_5は650℃以下では塑性が全くみられなかったが、650℃から850℃ではクラックは発生するものの塑性変形の兆しがみられた。850℃から980℃の温度範囲では、60%を越える変形が可能であった。また、ひずみ速度の増加とともに変形応力が増加した。電顕観察において、変形後の試料には孤立した転位や亜粒界が観察された。これらの転位のバーガースベクトルは1/3〈1120〉と[0001]と決定された。ここで用いた試料の結晶粒は10μm以上はあり、単結晶の領域に亜粒界が形成されている。このようなことから、LaNi_5の高温塑性変形は転位機構によるものと推察される。難加工材料でもこのような高温変形が可能であり、結晶粒が微細化した場合に超塑性が発現するかについて興味がもたれる。
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