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アルミニウム固溶体の超塑性と粒界すべりの役割

研究課題

研究課題/領域番号 09228224
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関芝浦工業大学

研究代表者

大塚 正久  芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20013732)

研究期間 (年度) 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードはんだ / 無鉛はんだ / Sn-Pb / 共晶合金 / ぬれ性 / 機械的性質 / 疲労 / 環境汚染
研究概要

超塑性発現の一つの目安としてしばしば歪速度感受性指数m≧0.3が挙げられる.微細結晶粒材料では粒界すべり(m=0.5)が主要な高温変形機構となるため,この条件が満たされ,超塑性が発現することは周知の通りである.他方,高温変形がsolute dragにより支配されるいわゆるClassl型(クリープの応力指数n=3)の合金に関するAl-Mg固溶体やAl-Cu固溶体では,結晶粒径-歪速度で表した変形機構図に見るように,結晶粒が微細でなくても(極端な場合単結晶でも)m=1/n=0.33>0.3となるので,実際の金属成形で期待される300%以上の伸びが得られるのではないか.
このような観点から,本研究では比較的高濃度の溶質原子を含み,かつ粒界すべりの寄与を無視し得るほどの粗大な結晶粒からなるAl-Cu合金について,超塑性発現の可能性を検討した.その結果,ClassI型挙動が現れる変形条件下で400%を超える超塑性伸びを示すことが判明したので,以下にその特徴と変形機構について考察した結果を報告する.
供試材は99.99%Alおよび99.9%Cu地金より溶製されたAl-4.5mass%Cu合金で,化学組成はCu4.54,Si0.016,Fe0.010,Mg0.004,Zn0.004,残部Alである(単位mass%).引張試験片の製造工程は,地金溶解→水平加熱鋳型式連続鋳造(いわゆるOCC法)→均質化処理(833,7.2ks)→切削加工(ゲージ部長さ10mm,太さ4m,R部付き)→ゲージ部の歪取り電解研磨である.これらをインストロン型試験機による定速引張試験に供した.温度範囲は673〜821K(0.73〜0.90Tm),歪速度範囲は1.0×10^<-1>〜1.0×10^<-4>s^<-1>である.組織観察は光学顕微鏡と走査型顕微鏡によった.供試材の結晶粒は軸方向に異常に長いため,粒界に働くせん断応力は事実上0である.結果は以下のように要約される.
(1)773K上の温度域で超塑性が認められる.公称応力一公称歪曲線は初期のピークを経て単調に減少し,針状に尖って破談に至る.しかし,真応力はほぼ一定値を示した.
(2)最大伸びは,α単相域の833Kで460%,,821Kで444%,803Kで321%である.しかし,(α+θ)共存域の673Kでは14%に激減した.
(3)m値は単相域で0.3〜0.4である.温度とともに漸増傾向がある.
(4)超塑性変形域ではすべり変形が一様でSEMでもすべり帯は観察されない.
(5)粒界すべりの痕跡は認められない.
(6)粒内変形の寄与の大きさを示す先在ボイドの伸張が認められた.

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 大塚・柴崎・菊池: "粗大結晶粒Al-Mg合金における超塑性" Materials Scieuce Forum. 233-234. 193-198 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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