研究課題/領域番号 |
09229243
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
一ノ瀬 泉 九州大学, 工学部, 助手 (50243910)
|
研究分担者 |
国武 豊喜 九州大学, 工学部, 教授 (40037734)
安藤 玲子 九州大学, 工学部, 教務員
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 多核錯体 / 交互吸着法 / 表面ゾル・ゲル法 / 重合吸着 / 逐次吸着 / 超薄膜 / 有機 / 無機複合膜 / 傾斜機能薄膜 |
研究概要 |
個体材料の科学的機能の傾斜化には、従来の層レベルの傾斜機能材料からより微細な組成分布を有する傾斜機能材料へと変換することが必要となる。即ち、組成変化を分子レベルで設計可能な新しい材料合成プロセスの確立が重要な技術課題となる。本研究では、溶液からの様々な逐次吸着法を用いて、ナノレベルの積層構造を持つ傾斜機能薄膜の作成を検討してきた。第一に、静電的相互作用を利用する交互吸着法を様々な荷電物質へと展開させた。具体的には、多核錯体、粘土鉱物、酸化物粒子、色素分子、タンパク質、導電性高分子などが、それと反対電荷の高分子電解質と交互に規則的に吸着することを明らかにした。第二に、酸化物超薄膜を逐次積層化するための新しい手法として、表面ゾル・ゲル法を見出した。この手法は、水酸基を有する固体表面への金属アルコキシドの化学吸着、過剰に物理吸着したアルコキシドの洗浄、表面の加水分解と縮合という一連の操作の繰り返しよりなり、酸化物薄膜の分子レベルの膜厚制御が可能となった。この手法は、水酸基を有する有機分子、あるいは有機高分子と金属酸化物との交互積層薄膜の作成に展開された。第三に、高分子の重合溶液から基板表面に数ナノメートルの厚みの超薄膜を析出させる手法を見出し、これを繰り返すことで導電性高分子の精密な逐次積層が可能となった。これらの逐次吸着法の発展は、分子的精度で任意のシーケンス構造を有する傾斜機能材料の作成を可能にし、新しい機能薄膜材料の設計に大きく貢献するものと考えられる。
|