研究課題/領域番号 |
09229250
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
中山 泰秀 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室員 (50250262)
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研究分担者 |
松田 武久 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 部長 (60142189)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 光反応 / 表面グラフト重合 / 微細加工 / 表面修飾 / 傾斜表面 |
研究概要 |
ジチオカルバメートを用いた表面光重合法を利用してミクロンレベルでの微細領域においてイオン性の異なる数種類の水溶性モノマーのグラフト重合膜厚の傾斜表面を作成し、各表面での細胞の接着増殖挙動の比較検討を行った。 ジチオカルバミル基を側鎖に有するポリスチレン誘導体(光反応性高分子)フィルムを各モノマー(非イオン性ジメチルアクリルアミドとカチオン性のジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチオダイド、及びアニオン性のメタクリル酸ナトリウム塩)の水溶液中に浸漬させ、一定速度(2.2μm/sec)で開くシャッターで照射領域を経時的に連続的に変化させながらフォトマスクを通してフィルム表面に15分間紫外光を照射した。水、アルコールで洗浄した後、X線光電子スペクトル(XPS)による表面化学組成分析および水接触角測定すると、フィルム表面において用いたフォトマスクの形状に対応したライン状の親水性グラフト重合体の生成が示された。また、色素により染色すると、ライン状のマイクロパターン表面の生成が可視化できた。染色後に蛍光顕微鏡観察および原子間力顕微鏡(AFM)による表面トポグラフィー観察を行うと、約2mmの距離で0〜約1μmまでグラフト重合膜厚がほぼ連続的に変化する傾斜高分子表面の生成が示された。各々の照射部位において照射時間に応じたグラフト重合の進行が起こり、高分子鎖長が連続的に変化する傾斜高分子表面が作成できたといえる。 イオン性モノマーをグラフト重合した膜厚傾斜表面に血管内皮細胞を播種・培養すると、接着した細胞数は膜厚の増大に伴って徐々に減少した。また、非イオン性高分子膜厚傾斜表面では接着・非接着領域がある膜厚を境として明確に分離した。親水性高分子表面での細胞接着性は表面のイオン性と同時に高分子鎖長に大きく依存することが示唆された。高分子鎖長の変化による細胞応答性の違いが同一条件下で明確に比較できる基材の作成を可能とした。
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