研究課題/領域番号 |
09231222
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中谷 和彦 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70237303)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | カプリマイシンA3 / DNA / アルデヒドユニット / ビニルエポキシド側鎖 |
研究概要 |
抗生物質カプリマイシンA3は、顕著な抗腫瘍活性と多彩な官能基を有した高次構造を持つ天然物である。カプリマイシンA3はDNAおよびDNAグループ内に位置する水分子の三者からなる高次構造複合体を形成し、DNAを極めて効率よくアルキル化する。DNAと効率よく高次構造複合体を形成し、DNAをアルキル化するために必要なカプリマイシンA3の構造を明らかにすることにより、DNAと高効率で高次構造複合体を形成する有機分子、即ち新規抗ガン剤の分子設計に貴重な知見を提供出来るものと考えた。平成9年度は、カプリマイシンA3の全合成研究を強力に推進した。全合成を早期に達成するために、ABCD環部分をA環部分で二つのユニットに分ける逆合成経路を採用した。即ち、BCD環部分に相当するアルデヒドユニットと、将来A環構築の手がかりとなるアセチレン構造を持つ光学活性なビニルエポキシド側鎖をカップリングした後、本研究者が開発したエチニルケトンの6-エンドダイゴナル環化反応をケトンに用いてA環の構築を行った。一方、両対称体が容易に入手出来るリンゴ酸から山口等により報告されている方法を用いてCD環部分を構築した後、酢酸ユニットを二分子導入後環化、酸化段階を調節してBCD環アルデヒドへ誘導した。アセチレン構造を持つ光学活性なビニルエポキシド側鎖ユニットは、市販されている(Z)体アリルアルコールの不斉エポキシ化、もしくは同じく市販されている(E)体アリルアルコールの不斉ジヒドロキシル化反応と光延反応の組み合わせにより合成した。
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