研究課題/領域番号 |
09231226
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福住 俊一 大阪大学, 工学部, 教授 (40144430)
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研究分担者 |
末延 知義 大阪大学, 工学部, 助手 (90271030)
伊東 忍 大阪大学, 工学部, 助教授 (30184659)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 電子移動 / 希土類イオン / 炭素-炭素結合生成 / 触媒 / 光励起状態 / 有機ケイ素化合物 / Diels-Alder反応 |
研究概要 |
電子移動反応は用いる基質の酸化還元電位でその反応性が決まってしまうが、適当な触媒を用いることによりその反応性を精密に制御することが可能である。本研究では有機ケイ素化合物から芳香族カルボニル化合物への光電子移動が金属イオンにより顕著な触媒作用を受けること、また、金属イオンを触媒としたDiels-Alder反応が効率良く進行することを見いだした。 1.電子移動触媒によるカンボニル化合物の光電子移動反応の活性化 ベンズアルデヒド-Sc^<3+>錯体の錯形成定数はベンズアルデヒド-Mg^<2+>錯体の場合より大きく、Sc^<3+>はMg^<2+>より強くベンズアルデヒドに配位する。ベンズアルデヒドの最低励起状態は三重項で蛍光は出ないが、Sc^<3+>との錯形成により蛍光を発する様になることを見いだした。ベンズアルデヒドがSc^<3+>と錯体を形成することにより、その一重項励起状態の電子受容能力が顕著に増大し、その還元電位はもとの三重項励起状態と比較して1.2V正にシフトして2.7V(vs SCE)となることがわかった。ベンズアルデヒドは、Sc^<3+>と錯体を形成すると、アルキルスズ化合物により容易に光還元されアルキル化反応が進行することがわかった。 2.電子移動触媒によるDiels-Alder反応の活性化 アセトニトリル中、室温でアントラセン類にメチルビニルケトン(MVK)を添加しても反応は進行しないが、この溶液にスカンジウムトリフラートを添加するとDiels-Alder反応が効率良く進行することを見いだした。アントラセン類とMVKとのDiels-Alder反応の速度論解析により、Sc^<3+>触媒電子移動がその活性化過程であることがわかった。
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