研究課題/領域番号 |
09231232
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷 一英 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (60029444)
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研究分担者 |
山縣 恒明 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (70166594)
片岡 靖隆 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (90221879)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | イミンの不斉水素化 / イリジウム錯体 / ジアステレオ選択的水素化 / ヒドリド(メトキソ)錯体 / X-線構造解析 / Ir(I)-BINAP2核錯体 / 環状六員環イミン / BINAP |
研究概要 |
Ir(I)/BINAP or tol-BINAP/RNH_2 or RR'NHからなる触媒系がメタノール溶媒中イミンの良好な不斉水素化触媒となることを明らかにした。高い不斉収率の達成には一級あるいは二級アミンの添加が必須であるが、添加アミンのキラリティーは不斉収率には全く影響を与えなかった。また、反応を再現性よく進行させるためには触媒を調整した後室温、アルゴン下で1時間程度のインキュベーションが必要である。鎖状イミンの還元では最高77%eeの不斉選択性が達成出来たが、幾何異性体の存在しない環状六員環イミン2-pheny1-3,4,5,6-tetrahydropyridineでは90%eeと非常に高い不斉収率が達成された。窒素原子上に光学活性α-phenethy1基を有するキラルイミンを基質に用いると、鎖状イミンでも最高99%deの非常に高いジアステレオ選択性で光学活性アミンが得られた。α-phenethy1基は加水素化分解で容易に除去出来るのでプロキラルなケトンと入手容易な光学活性α-phenethylamineから高い光学純度の種々の光学活性アミンが得られることになる。本触媒系の活性種の情報を得るため[IrCl(cod)]_2とBINAPとの反応で空気に非常に不安定で反応活性な塩素架橋2核錯体[IrCl(binap)]_2の単離に成功し、そのX-線構造解析を行った。また本錯体は種々のプロトン性分子を容易に活性化し、例えば室温でメタノールを酸化的付加し、ヒドリド(メトキソ)錯体[{Ir(H)(binap)}_2(μ-OMe)_2(μ-Cl)]Clを高収率で与えることを見出し、そのX-線解析で構造を明らかにした。これらの錯体はいずれも本触媒反応の活性種と深くかかわった錯体と考えられる。
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