研究課題/領域番号 |
09232213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小宮山 真 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50133096)
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研究分担者 |
浅沼 浩之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20282577)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 水素結合 / 核酸塩基 / ポリビニルジアミノトリアジン / 高分子 / 水溶液 / シクロデキストリン / インプリント / コレステロール |
研究概要 |
これまでに合成されている水素結合部位で分子認識する人工レセプターは、水溶液中では、水分子が水素結合サイトに対して競争阻害を起こすために十分に機能しない。我々は、これらの問題の解決を目指して、高分子効果の活用を検討した。その結果、ジアミノトリアジンを側鎖に持つポリ2-ビニル4,6-ジアミノトリアジン(PVDT)が、水の中でも、相補的な水素結合を効率的に形成し、基質を高選択的に認識することを見出した。すなわち、一連の核酸塩基の中で、ジアミノトリアジンと3本の相補的水素結合を形成するウラシルおよびチミンのみがPVDTにより強く吸着される。それに対して、水素結合サイトが2箇所であるシトシンの吸着はわずかであり、水素結合サイトが1箇所であるピリミジンは吸着されない。このように、PVDTの複合体形成能は、ゲストとの相補的水素結合サイトの数と良好に対応している。PVDTとウラシルとの結合定数をLangmuirプロットにより見積もったところ、93M^<-1>と十分に大きな値であった。それに対して、PVDTの単量体モデルおよび2量体モデルは、ウラシルと水素結合を形成しない。こうして、(1)PVDTが、水溶液中で、水素結合によりゲスト化合物を効率的かつ選択的に分子認識すること、および(2)水中での水素結合形成には高分子場か必須であること が明らかとなった。さらに我々は、目的とするゲスト化合物に対応した人工レセプターを自在に構築する手法の開発を目指して、ゲスト化合物の存在下にシクロデキストリン(CyD)を架橋し、CyD柏互の分子配向を制御した。今年度に主たる認識対象としたのはコレステロールであり、鋳型分子としてのコレステロール存在下でβ‐CyDをDMSO中でジイソシアネート架橋することで、水溶液中でコレステロールを強く認識する人エレセプターの合成にも成功した。
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