研究課題/領域番号 |
09232214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
小山 昇 東京農工大学, 工学部, 教授 (40134845)
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研究分担者 |
POPE Johe M. 東京農工大学, 工学部, 助手
立間 徹 東京農工大学, 工学部, 助手 (90242247)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | リチウム二次電池 / 正極材料 / 有機イオウ化合物 / 導電性高分子 / ポリアニリン / 2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール / 組織体化 / 銅錯体 |
研究概要 |
我々は、、常温では非常に遅い2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール(DMcT)のような有機イオウ化合物の酸化還元反応が、導電性高分子であるポリアニリン(PAn)の触媒作用により促進されることを見出した。本研究では、導電性高分子と有機イオウ化合物または有機イオウ金属錯体かちなるレドックス活性有機複合材料の組織体化を通じて、高エネルギー密度を有し、高速充放電が可能なリチウム二次電池用高性能正極材料の開発を行った。 1.有機イオウ化合物と導電性ポリマーから成る複合材料を分子レベルで組織体化するために、導電性高分子主鎖へのイオウ置換基の導入を検討した。(a)ポリアニリン主鎖への含イオウ置換基(-SO_3H,-SH)の導入を行った。その結果、ポリアニリンへのスルフォニル基の導入は、ポリアニリンの溶解性を上げるとともに、有機イオウ化合物の電子移動反応に対する触媒作用を高めることがわかった。PAn-SHのチオール基は酸化還元活性であり、ジスルフィド結合の生成解離を起こすと考えられた。(b)含イオウアニリンである2,5-ジチオールフェニレンジアミンおよびアニリンの共重合により、含イオウポリアニリンの合成を行った。得られたポリマーは、3x10^<-2>S/cmの比較的高い伝導度を有していた。また、元素分析よりラダー構造を50%ずつ含んでいることが示唆され、化学的に安定で耐熱性を有する導電性正極材料として期待される。 2.銅の集電体を用いた場合に得られた充放電特性の向上の原因を探るため、DMcT-PAn複合正極系における銅の役割について光学干渉顕微鏡およびin situ電気化学水晶振動子電極法を用いて検討を行った。その結果、銅イオンが複合膜中に溶出し、DMcTと非常に安定な錯体を形成するととが確認され、これが充放電特性の向上の原因となることが見出された。また、DMcT-PAn複合材料に銅イオンを添加することにより、銅集電体を用いた場合と同様の充放電特性の向上が認められた。
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