研究課題/領域番号 |
09232216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
畑中 研一 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (70167584)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | グルコサミノグリカン / シーケンス規制 / 開環共重合 / 無水糖 / モノマー反応性比 / 数平均連鎖長 / 交互共重合体 / グルコサミン |
研究概要 |
本研究では、複雑な構造を有する糖鎖の精密な合成法を確立し、種々の構造の多糖を重合反応によって精密に合成することを目的とする。酸性の生理活性多糖として知られるグリコサミノグリカンは、アミノ基を有するグルコサミンとカルボキシル基を有する糖(ウロン酸)の交互重合体であるが、その生理活性発現のために交互共重合体であることが必要なのかどうかは定かでない。本研究では、シーケンスを規制したグルコサミン誘導体とカルボキシン基含有糖とのコポリマーを設計、合成し、種々の生理活性を調べる。単独重合性を示さないモノマーを設計、合成し、他の種類のモノマーと共重合することによって、交互重合体を合成しようとするものである。立体障害などを利用して単独重合性を示さないモノマーを設計、共重合に用いる点が本研究の特徴である。平成9年度はカルボキシル基を有するモノマーとアミノ基を有するモノマーとの共重合を行った。共重合における仕込みモノマー組成を1:9から9:1まで変化させることにより、得られるコポリマー中のカルボキシル化糖ユニットの含有量を37%から90%まで変化させることができた。KelenーTudos法を用いて計算したモノマー反応性比は、r(カルボキシル基含有モノマー)=0.63、r(アミノ糖モノマー)=0.06であった。これらの値は、この共重合反応が交互性の高いことを示している。例えば、仕込みモノマー中におけるカルボキシル含有モノマーを30%で共重合すると、カルボキシル化糖ユニットの含有量が52%のコポリマーが得られたが、各々のモノマーユニットの数平均連鎖長は次のように計算された。カルボキシル含有糖の数平均連鎖長=1.27、グルコサミン誘導体の数平均連鎖長=1.14。即ち、得られたコポリマーは非常に交互性が高い。また、各々のモノマーの単独重合結果および^1H-NMRスペクトルにより、カルボキシル基を有する糖残基はαグルコピラノシド結合を有し、グルコサミン残基はβグルコピラノシド結合を有していることが分かった。
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