研究課題/領域番号 |
09232218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
奥居 徳昌 東京工業大学, 工学部, 教授 (20111651)
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研究分担者 |
梅本 晋 東京工業大学, 工学部, 助手 (90168758)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 真空 / 交互蒸着 / 薄膜 / 高分子 / 多元系 / 伸びきり鎖 / ナイロン |
研究概要 |
有機材料の優れた特徴を十分活かすために、有機分子を規則的に配列・配向制御した高分子薄膜を交互蒸着重合法により作成した。2官能性モノマー2種(酸クロリドモノマーおよびジアミンモノマー)を真空蒸着法により交互に基板上に1分子層づつ付着させながら、重合させて高分子薄膜を作成できた。酸クロリド分子は、化学吸着のみが基板表面で起こり、ジアミン分子は化学吸着と物理吸着が同時に起こることが明らかになり、これらの分子の吸着特性を利用して、残留モノマーが無い高分子薄膜を真空蒸着法で作成した。この交互蒸着重合法により、ナイロン66、ナイロン1010、ナイロン66100などの高分子薄膜を作製した。各モノマーの導入回数(重合度)に比例して膜が厚くなり、赤外吸収力強度も強く現れ、X線回折から分子が基板に対し垂直方向に重合成長していることになどが明らかになった。即ち、膜厚が分子量に対応した高分子薄膜の作成に成功した。作成したナイロン66薄膜では、膜厚方向と膜面内方向の電気伝導度に大きな異方性が現れ、膜面内方向の方が、膜厚方向より1-2桁大きな伝導を示した。重合回数による電気伝導度の変化は直線的に変化し、膜厚で規格化した伝導度は、重合回数によらず、一定となり、これは分子鎖が一層一層整然と積み重なりながら重合した結果である。さらに伝導度の温度、湿度依存性も大きく、湿度センサー、温度検知機などへの応用が考えられる。この交互蒸着重合法により、2種以上の異なるモノマーを利用することにより、分子鎖が基板に対して垂直方向に配向した多元系高分子薄膜の作成にも成功した。
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