• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

配列、分岐構造および末端構造を高度に制御したポリシラン

研究課題

研究課題/領域番号 09232255
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関東京理科大学

研究代表者

櫻井 英樹  東京理科大学, 理工学部, 教授 (70025873)

研究分担者 三治 敬信  東京理科大学, 総合研究所, 助手 (00287484)
研究期間 (年度) 1996 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワードポリシラン / ブロック共重合体 / ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート / マスクしたジシレン / アニオン重合 / 高分子ミセル / 吸収スペクトル / 臨界ミセル濃度
研究概要

今年度は、マスクしたジシレンのアニオン重合によるポリシランと炭素系ポリマー、特に親水性炭化水素系ポリマーである(ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)(PHEMA)とのブロック共重合体の合成を行い、その自己会合体の形成について検討した。
ブロック共重合体は、マスクしたジシレンのアニオン重合の後、2-トリメチルシロキシエチルメタクリレートを加え、その後希塩酸を加えることにより、重合の停止とともに脱保護させた。反応後、分別再沈殿によりポリシラン-PHEMAブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体は、メタノール溶液中で光散乱法により、ポリシラン鎖がミセルの内部の疎水的環境で凝集し、溶媒との相互作用のない固体状態(全-トランス構造)で存在しており、PHEMAがそれを保護するような回転楕円体型の粒径約50nmの高分子ミセルを形成していることがわかった。またメタノール溶液中におけるブロック共重合体のUVスペクトルの濃度依存性について測定したところ、あるポリマー濃度以下で吸収スペクトルの劇的な変化が観測された。このようなUVスペクトルの濃度依存性は、ポリシランミセルのいわゆる臨界ミセル濃度(cmc)に対応し、ミセル形成にともないポリシラン主鎖のコンホメーションが大きく変化するためと考えられる。また溶媒組成を変えることによっても、ミセルから単分子また逆ミセルへの形態変化に応じた吸収スペクトルの変化が観測された。このような高分子ミセルの形成はこれまで報告はあるが、ポリマー自体に吸収があり、そのナノ組織化の過程を追跡出来るのは非常に興味深い。このような高分子ミセルなどの自己会合体の形成に関する研究は、ナノメーターサイズの大きさを持つ物質を構築することでユニークな物性を持たせようとする超分子化学として注目を集めており、現代化学の中でも重要な一分野を形成している。ポリシラン鎖を含む完全なミセル形成が高分子ナノ組織体としての新たな物性の発現にが期待される。

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Sanji: "Anionic Ring Opening Polymerization of Octamethyltetrasilacyclopentane" Chem.Lett.1121-1122 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] T.Sanji: "Kinetics of Chain Organization at the Thermochromic Transition of Polysilanes" Chem.Lett.255-256 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] H.Sakurai: "Anionic Polymerization of Silicon-Containing Rings" Phosphorus,Sulfur,and Silicon. in press.

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] T.Hoshi: "Molecular Structure and Photochemical Reactions of Trimethylsilylmethyl-Substituted Masked Disilene" Chem.Lett.(in press.).

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] H.Sakurai: "John Wiley & Sons" Mechanism and structures in alcohol addition reactions of disilenes and silenes (in press), 30

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

URL: 

公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi