研究課題/領域番号 |
09232256
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
長崎 幸夫 東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (90198309)
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研究分担者 |
片岡 一則 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (00130245)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 高分子ミセル / ヘテロテレケリックス / 親疎水ブロックコポリマー / 反応性ミセル / DDS / ポリエチレングリコール / ポリサイラミン |
研究概要 |
本研究では、両末端に異なる官能基を有するヘテロテレケリック型親水/疎水ブロック共重合体の分子設計を目的としている。このヘテロテレケリックブロックは、ミセル調製時、親水性セグメント末端官能基がミセル表面に位置し、疎水性セグメント末端が疎水性コア内部に位置する構造を取り、第2、第3の機能を付与しうる新しい機能性ナノ粒子として期待できる。昨年度、親水性セグメント末端にアルデヒド、疎水性セグメント末端にメタクリロイル基を定量的に有するポリエチレングリコール/ポリラクチドブロック共重合体(CHO-PEG/PLA-OCOC(CH_3)=CH_2)の合成に成功した。本年度は得られたヘテロブロックミセルの展開として、ミセルコア内のメタクリロイル基の重合による、安定化ミセルの調製を中心に検討を行った。 透析法によって調製したヘテロブロックポリマーミセル溶液)1mg mL^<-1>)に1/100当量のAIBNを加え、10分間アルゴンバブルした後60℃にて1日撹拌、反応させた。同様の操作で3/100当量のベンゾインメチルエーテルを導入し、4時間UV照射した。AIBNでラジカル重合させた後のポリマーの^1H NMRより、PLA側末端に導入したメタクリロイルのシグナルが完全に消失し、重合がほぼ完全に進行していることが確認できる。一方、光重合の場合、上記条件下で90%程度の重合率であった。これは、光重合が室温下で行われるため、低下したPLAコアのモビリティーが定量的な重合を妨げたものと考えられる。 重合前後のポリマーミセルの動的光散乱(DLS)測定結果からは、重合前後でミセルサイズは20数ナノメートル程度でほとんど変化しておらず、また、単分散を保っていることを明らかとした。この重合ミセルの安定性を評価するため、これらの溶液に、当量のSDSを加え、DLS測定を行った。重合前の物理凝集ミセルでは、SDS処理後、ポリマーミセル領域ではまったくミセルのピークが消失するのに対し、重合後ミセルではその形状を保持し、SDS処理によって壊れない、安定化ミセルが調製できた。なお、SDS処理によってミセルの粒径は増大した。これはSDSがミセルに相互作用しているためと考えられる。実際、SDSの量によって、サイズは直線的に変化した。
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