研究課題/領域番号 |
09233208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
舛本 泰章 筑波大学, 物理学科, 教授 (60111580)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 量子ドット / 励起子 / 過渡吸収スペクトル / CuCl / 励起子分子 / 単光子 / InP / 時間分解発光分光 |
研究概要 |
1)量子ドット中の2励起子状態、3励起子状態の観測 数psのパルス光(スペクトル線幅:2〜3meV)でサイズ分布がある量子ドットの集合から単一に近いサイズの量子ドットを選びだして励起し、白色光パルスで過渡吸収スペクトルを調べることでCuCl量子ドット中に励起子2個が弱く結合した励起子分子の励起状態(2励起子状態)が実現することを明らかにした。更に、2色のピコ秒パルスを用い、2励起子状態がら3励起子状態への遷移がフェムト秒白色プローブ光で検出することもできた。これらの発見は、単光子により量子ドットのエネルギーを制御できる事を示している。 2)永続的ホールバ-ニグ分光による量子箱中の励起状態の観測 Nacl結晶中に立方体状のCuCl量子ドットを作成し、この試料を低温において、スペクトル幅の細いレーザー光でZ_3励起子吸収帯内を励起すると、メインホール以外に低エネルギー側にサイドバンドホールが永続的に観測された。これらのピークのエネルギーの関係から、CuCl量子箱に閉じ込められた励起子準位が明らかになった。 3)InP量子ドットの時間分解光子分光 自己形成InP量子ドットの発光寿命の温度依存性を調べInP量子ドットの発光寿命は、2Kから20Kまでは、温度に依らず、ほぼ一定値(約0.4ns)を示し、20K以上から160K間での範囲では、温度上昇に比例して増大する事を見出した。この振る舞いは量子ドットが0次元と2次元の中間の性質をもっているとして理解される。自己形成InP量子ドットの発光は、母体のInGaPを励起した場合には時定数50psの顕著な立ち上がりを示す。一方、母体InGaPの発光は、InP量子ドット発光の立ち上がりに対応した時定数130psの減衰を示す。これらの現象は、母体InGaPからInP量子ドットへのキャリア流入(流入時間:約100ps)を示す。
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