研究課題/領域番号 |
09233216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 新男 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (50159068)
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研究分担者 |
市田 正夫 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助手 (30260590)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 自己組織化InAs量子ドット / 走査トンネル顕微鏡 / 走査トンネル分光 / 原子間力顕微鏡 / 半金属-半導体転移 / 量子サイズ効果 / ランタノイド化合物 |
研究概要 |
マトリックス中に分散した半導体ナノ結晶および種々の基板条件で成長させた半導体量子ドット、半金属量子ドットを対象にして、その形成過程を明らかにすると同時に、原子間力顕微鏡(AFM)、走査トンネル顕微鏡(STM)、カソードルミネセンなどナノプローブ顕微鏡により、単一ナノ構造の量子閉じ込め効果と物性を明らかにすることを目的として、本研究が行われた。今年度の主たる成果は以下の通りである。 1)自己組織化InAs量子ドットの構造と電子状態 Asのキャップ層で覆われたGaAs基板上のInAsドットを超高真空中で加熱することによってAs層を取り除いた後、STM、走査トンネル分光(STS)を用いてその表面構造とInAsドットの電子状態を調べた。トンネルスペクトルから求められたバンドギャップの値は低温の発光スペクトルから求められた値にほぼ一致した。即ち、STM/STSによって単一の量子ドットの電子状態を調べられることがわかった。 2)半金属ErPドット構造の形成とそのSTMによる評価 OMVPE法によってInP(001)基板上に、岩塩構造を持つErP層を成長させて表面構造のAFM観察を行った。成長条件と被覆率を適当に選ぶことによってInP(001)基板上に17〜30nmのErPドットを成長させることが出来た。STM像の観察から、ErPの島構造には基板との格子不整による歪みを緩和するために、[110]に沿って転位と"Void"が生じることがわかった。また、I-V特性から得られたトンネルスペクトルはErP層の厚さによって異なる振舞いを示し、6ML以下では、ギャップが現れた。この結果は、電子と正孔に対する閉じ込め効果によって半金属相から半導体相に電子状態が変化することを示唆し、このようなクロスオーバーの観測は本研究が初めてである。
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