研究課題/領域番号 |
09234209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山中 浩明 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (00212291)
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研究分担者 |
栗田 勝実 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (90282871)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 基盤断層 / 立川断層 / 地震観測 / 微動観測 / S波速度 / 地盤増幅特性 / 兵庫県南部地震 / 余震観測 |
研究概要 |
本研究では、東京都西部の立川断層周辺と神戸市東灘区周辺の2つの地域での地震動特性について基盤の段差構造の影響という観点から検討を行った。得られた結果は以下のごとくである。 1)立川断層付近での地震動特性の検討 立川断層を挟んた2地点でのやや長周期微動のアレイ観測から位相速度を求め、その逆解析からS波速度構造の推定を行った。その結果、断層の北東側に落差約1.5kmで落ち込む段差があることが明らかになった。さらに、得られたS波速度構造を満足するように、人工地震探査による既往の地盤モデルの改良を行った。初動走時の理論計算を行い、改良モデルのほうが人工地震の走時データをよりよく説明できることがわかった。 立川断層を横切るように直線状に配置した6点からなるアレイで地震観測を行った。ほとんどの地震記録について、断層の落ちた側ではやや長周期成分が著しく増幅してた。高々3km程度しか離れていない場合にも、基盤構造の急激な変化によってやや長周期成分の空間的変動が大きく影響を受けていることがわかった。 2)神戸市の地震動特性の検討 神戸市東灘区で実施された余震観測の記録の分析を行い、(1)Hz付近の地震動増幅が震度7の地域で大きいこと、(2)基盤でのSP変換波の振幅が基盤の断層に近い点では震源の位置に依存すること、(3)六甲アイランドではやや長周期表面波が多くの地震で顕著であること、などを明らかにした。 余震記録を用いてS波のインバージョン解析を行い、周期1秒より短周期の地盤増幅特性を評価した。その結果、震度7地域以外では1次元モデルによってある程度説明できたが、震度7の地域では難しく、2・3次元的な地盤構造の影響によると考えられた。 以上の検討から、基盤の段差付近では広い周期範囲の地震動にその影響が認められ、基盤の段差構造がある地域での地震動評価にはその影響を考慮することが重要であると考えられる。
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