研究分担者 |
橋本 清勇 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50273470)
北原 昭男 京都大学, 防災研究所, 助手 (00195273)
後藤 正美 金沢工業大学, 工学部, 助手 (40170469)
村上 雅英 近畿大学, 理工学部, 講師 (80190891)
鈴木 祥之 京都大学, 防災研究所, 助教授 (50027281)
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研究概要 |
1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震による住宅などの木造建物の被害では,在来軸組構法の被害が著しく,特に間口の狭い商店や文化住宅などの被害が顕著であった。これは全体的な壁量の不足,または桁行方向に比べ張り間方向の壁が少ないなどの不均衡な壁配置により耐力的に劣る要因によるものと考えられる。従ってこのような建物において,張り間方向の補強に方杖,袖壁,垂壁を有効に配置することは耐震性能の向上につながると考える。 本研究では,袖壁,方杖,袖壁と垂壁などの形態の異なる補強法により耐力壁としてどれほどの耐力,変形性能があるかを定量的に把握した。耐震補強の性能を明確にすることで存来軸組構法の耐震性の向上に繋げることが本研究の目的である。本実験では90cm以下の壁体である袖壁ならびに方杖による補強,補剛の効果を中心に調べている。木造軸組構法の住宅において,地震時の必要壁量の算出における壁率の決定にあたっては,一般に90cm未満の短い壁は壁量として設計に組み込まれておらず,またその耐力は定量化されていない。地震に強い建物の建設,既存の建物の耐震性の向上において開口部を有する壁等の補強後の耐力を数値的に把握しておくことは重要である。木造軸組構法の耐震性の向上に向けて,方杖,袖壁,垂壁,添え住などによる補強を施した種々の試験体による載荷実験を行い,工法・形状の違いによる比較を行って有効な補強方法を明確にした。また建物を耐震補強する際に,施工に要する価格に対してどれほどの補強効果が得られるかについて目安を示した。
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