研究概要 |
航空写真測量によって側方流動による地盤変位が既に測定されている事例(1983年日本海中部地震,1995年兵庫県南部地震などの国内5地震)の中から,地表面が安定的に動いており,かつ地盤などの条件がシンプルで信頼度の高いデータのみを抽出し,液状化層厚,非液状化層厚,地表面勾配等と地表面の水平変位量の関係について相関解析を行った。さらに,事例分析結果と他機関で行われた模型地盤による流動実験および液状化土の物性に関する試験結果と合わせて総合的に考察することにより,現時点で以下の結論を得た。 (1)事例分析結果より得られた結果 ・傾斜地盤における地表面の水平変位は,地表面勾配および液状化層厚に比例して増大する。 ・護岸移動による背後地盤の水平変位は護岸移動量に比例して増大する。兵庫県南部地震と新潟地震の事例では,護岸移動量の約1/2となっている。 (2)事例分析結果と他機関における模型実験結果を総合して得られた結果 ・傾斜地盤における水平変位は地表面勾配,液状化層厚の1/2乗および流動継続時間の積に比例することが明らかになり,以下の予測式を提案した。 D≒15×10^2・(√Hθ)/N ここに,D:地表面の水平変位量,H:液状化層厚,θ:地表面勾配,N:液状化層の平均補正N値
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