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NO還元酵素の構造解析と機能変換

研究課題

研究課題/領域番号 09235207
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関金沢大学

研究代表者

福森 義宏  金沢大学, 理学部, 教授 (60135655)

研究期間 (年度) 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワード一酸化窒素 / 腔窒 / 嫌気呼吸 / 酸化還元酵素 / シトクロム
研究概要

本酵素の構造解析を行うためには大量の酵素標品を必要とする。そこで、まづ大量精製方法について検討したところ、ヒドロキシアパタイトによる精製が効果的であることを見いだし、50g(湿重量)の菌体から約7.3mgの精製酵素を得ることに成功した。得られた酵素の金属分析を原子吸光法により行ったところ、本酵素は銅原子を持たず、非ヘム鉄を酵素1分子あたり1〜2原子持つことが明らかとなった。また、本酵素の結晶化を種々の界面活性剤と沈殿剤を用いて試みたが、X線結晶構造解析可能な結晶を得ることはできなかった。本酵素は銅原子を持たず、非ヘム鉄を持つ。また、ヘム-銅オキシダーゼと本酵素のアミノ酸配列の比較から、NO還元酵素のNO還元部位もヘム-銅オキシダーゼ酵素還元部位と同様に複核金属中心を形成し、そのペアはhigh spin heme b-非ヘム鉄である可能性が示唆される。しかしながら、これまで非ヘム鉄蛋白質の単核及び複核サイトへの配位が総てヒスチジンである例はなく、本酵素の複核金属中心の存在も含めて、その分子構造に興味が持たれる。そこで、本研究ではNO還元部位の分子的性質を明かにすることを目的に、ESRスペクトル、吸収スペクトル及びNO還元酵素活性に及ぼすシアンの影響について検討した。その結果、g=6.04と2.06のESRシグナルと酸化型Soret帯吸収のシアンによる変化量が一致するとともに、その50%変化量を引き起こすシアン濃度はNO還元酵素活性のKi(シアン)とほぼ同じであることが明かとなった。また、一般に非ヘム鉄に由来すると考えられているg=4.30のシグナルが明瞭に見い出され、さらにそのシグナルはシアンにより全く変化しなかった。以上の結果は、g=6.04と2.06のESRシグナルはhigh spin heme bに由来し、シアンによる活性阻害がhigh spin heme bへの結合によることを示唆している。従って、本酵素のNO還元部位はhigh spin heme bのみか、あるいは複核金属中心が存在してもhigh spin heme bと非ヘム鉄の相互作用は、ヘム-銅オキシダーゼの酸素還元部位でのhigh spin heme a(o)と銅との相互作用ほどは強くないと考えられる。

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Y.Fukumori et al.: "Enzymatic Iron Oxidation and Reduction in Magnetite-Synthesizing Magnetospirillum magnetotacticum." J.de Physique IV. 7. 659-662 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] N.Igarashi et al.: "The 2.8 angstrom structure of hydroxylamine oxidoreductase from a nitrifying chemoautotrophic bacterium,Nitrosomonas europaea." Nature Structural Biology. 4. 276-284 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Nagata et al.: "Occurrence of peptidyl D-amino acids in soluble fractions of several eubacteria,archaea and eukaryotes." Biochim.Biophys.Acta,. 1379. 76-82 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 堅田利明 他: "新化学教科書シリーズ第10巻バイオケミストリー" 昭晃堂, 221 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 安形高志 他: "細胞機能と代謝マップ(日本生化学会編)" 東京化学同人, 302 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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