研究課題/領域番号 |
09235224
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉山 政則 広島大学, 医学部, 教授 (30106801)
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研究分担者 |
熊谷 孝則 広島大学, 医学部, 助手 (70274058)
大谷 和弘 広島大学, 医学部, 助手 (20203820)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | X線結晶構造解析 / 金属錯体 / 抗生物質 / ブレオマイシン / ブレオマイシン結合蛋白質 / 放線菌 / 蛋白質の結晶化 |
研究概要 |
ブレオマイシン(Bm)生産菌Streptomyces verticillusは、Bmセンサー蛋白質(BLMA)を産生する。私たちは、BLMAをコードする遺伝子(blmA)を導入した大腸菌をBm存在下で生育させると、特定遺伝子の発現が誘導される現象を発見した。この機構を解明するため、まずBLMAのX線結晶構造解析を試み、昨年度までに、BLMAの結晶化に成功した。次に、得られた結晶を用いて予備的解析を行った結果、以下の結晶学的データ:(1)結晶系:斜方晶系(2)空間群:P21212(3)格子定数:a=54.90Å,b=67.94Å,c=35.60Å,a=b=g=90°(4)Vm=2.5Å3/Daを得た。 本年度はBLMAの精密構造を決定した。回折データの収集はPhoton FactoryのBL6Bにおいて波長1.0Åで行い、Native結晶では1.5Åの分解能における回折強度測定に成功した。また、水銀試薬をソ-キングしたものが、非常に良質の重原子誘導体として利用可能であることが判明したので、異常分散効果を利用した重原子単一同型置換法(SIRAS)により、位相決定を行った。得られたデータから初期位相を決定し、モデルビルディングを行った。その後、分解能10-1.5Åで精密化を行った結果、最終的に水分子135個を包み、Conventional R-factor=19.1%,Free R-factor=22.3%となっている。BLMAはN末端9残基を介したchain exchangeによりダイマーを形成していることが明らかになり、タイマー形成によって生じる大きな溝にBmの金属配位部位が入り込むと推定された。また、BLMAの全体的なフォールディングは、TATA-box binding proteinと類似しており、遺伝子発現との関連性が示唆された。現在、Bm-BLMA複合体の結晶化にも成功しているが、回折データの収集までには至っていない。複合体構造を明らかにすることができれば、Bm-BLMA系による遺伝子発現調節の解明に近づけるものと考えられる。
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