研究課題/領域番号 |
09235225
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
成田 吉徳 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 教授 (00108979)
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研究分担者 |
中村 暢文 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 非常勤研究員
谷 文都 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 助手 (80281195)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 光合成酸素発生錯体 / 酸素分子活性化 / チトクロームc酸化酵素 / マンガンポルフィリン / チトクロームP-450 / 鉄ポルフィリン / 銅錯体 |
研究概要 |
1.酸素発生モデルとしてのマンガンポルフィリン二量体の化学酸素化による高原子価マンガン(IV)錯体の生成とその機構。マンガン間距離が比較的短いオルトフェニン架橋のマンガンポルフィリンのギ酸イオン配位体についてX線結晶構造解析によりマンガン間距離は5〜6Åであることを明らかにした。この二量体のMn(III)(OH)体を過酸酸化するとMn(IV)(OR)_2(R=H,Me)が生成することが、ESR,IR,ESI-MS,元素分析等により明らかになった。このMn(IV)二核錯体は低温でかなりの安定性を持ち、二量体のキャビティー内において配位している水酸基の酸素原子間距離は接近していると見積もられ、μ-ペルオキソ結合生成が十分可能であることが予測された。 2.チトクロールP-450活性中心錯体の合成。ポルフィリンの両面を光学活性ビナフタレンにより修飾された'Twin-coronet'ポルフィリンを基軸として、このポルフィリン上に形成されたポケットの一方の中にチオレート配位子を修飾したポルフィリンの合成に成功した。この鉄(III)錯体はチオレートが配位したFe(III)-S-Rの構造をとっており、室温・空気中においても安定であることが明らかとなり、酸素活性中心のモデルとしての有効性を明らかにした。 3.チトクロームc酸化酵素活性中心モデルによる酸素活性化機構。チトクロームc酸化酵素の活性中心モデルとしてトリス(2-ピリジルメチル)アミン銅錯体を共有結合により固定したヘムを合成した。この還元型錯体[Fe(II)-Cu(I)]は室温にて酸素と反応して比較的安定なμ-ペルオキソ錯体を与えることを明らかにした。この構造はESI-MS、共鳴ラマン、EPR、電子スペクトル等により決定された。このペルオキソ錯体はチトクロームc酸化酵素モデルとしては、その構造が明確に立証された世界で初めての例である。
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