研究課題/領域番号 |
09235233
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
杉本 直己 甲南大学, 理学部, 教授 (60206430)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 核酸 / リボザイム / 鉛イオン / 金属イオン / 遺伝子切断 / 反応メカニズム / 最近接塩基対パラメータ / 希土類イオン |
研究概要 |
最近の核酸合成法や遺伝子工学の発展によって、核酸分子の相互作用を利用して遺伝子の発現を制御する試みが可能になってきた。いろいろな機能をあわせもつ機能性核酸分子の開発もいよいよ現実化してきたと言えよう。この機能性核酸分子として最も有望なのが、リボザイムである。リボザイムは、エイズや癌などの遺伝子を切断する新しいタイプの"核酸薬剤"として期待されている。また、遺伝子の発現を制御するアンチセンス法やアンチジーン法においても有効であることが報告され始めている。しかしながら、このような機能性核酸分子の開発にあたっては、解決しなければならない問題も少なくない。その主な問題点は、1)リボザイムがヌクレアーゼなどに対して非常に不安定であること、2)リボザイムのダウンサイジング、3)リボザイムの反応効率がよくない(反応速度が遅い)ことの三点にあると考えられる。 そこで、本研究では、特に2、3)のリボザイムのダウンサイジングと反応効率の改善に関して、リボザイムと金属イオンの関係を検討した。リボザイムの切断反応は、加水分解反応であるのが特徴であり、その切断機構には金属イオンが関与する部位が複数存在していると考えられる。したがって、異種の金属イオンが存在する場合、そのイオンの結合部位はその機能により異なると推測される。つまり、異種の金属イオンの組み合わせによっては、それらのイオンの役割分担が起こり、それぞれが単独で存在する場合によりも、高い切断活性が得られる可能性が期待できる。このような観点から、Pb^<2+>イオンによってRNAの非塩基対部位を特異的に切断する小型リボザイムであるレッドザイム(鉛リボザイム)を対象として、RNA分子の配列特異的な切断反応と希土類イオンとの関係を検討し、反応効率が格段に高くかつ非常に小さい(10量体)リボザイムの開発に成功した。
|