研究課題/領域番号 |
09235236
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)山形県テクノポリス財団(生物ラジカル研究所) |
研究代表者 |
藤井 浩 (財)山形県テクノポリス財団生物ラジカル研究所, 化学第一研究部, 主任研究員 (80228957)
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研究分担者 |
吉村 哲彦 (財)山形県テクノポリス財団生物ラジカル研究所, 化学第一研究部, 部長 (70271517)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | チトクロームC酸化酵素 / モデル / 反応機構 / ポルフィリン |
研究概要 |
チトクロームc酸化酵素は、ミトコンドリアにおいてATP合成に関わる金属酵素である。我々は、チトクロームc酸化酵素の反応機構を解明するためモデル錯体の合成を行った。 1.ヘムa_<3->Cu_B部位モデル錯体の構築 Cu_Bサイトの銅イオンには3つのヒスチジンが配位しているので、これをトリスピリジルメタンによりモデル化した。ポルフィリンとトリスピリジルメタンを化学反応性に強いエーテル結合で連結した。ポルフィリンに鉄3価イオンを、トリスピリジルメタンに銅2価イオンを導入した。合成された錯体は、吸収スペクトル、NMR、ESR、MSスペクトルの測定により、ヘム鉄と銅イオンの間に架橋配位子をもたないこと、磁気的相互作用がないことがわかった。本研究の結果、酵素のヘムa_<3->Cu_Bサイトには架橋配位子が存在することが示唆された。 2.反応中間体モデルの構築 チトクロームc酸化酵素は、CompoundI類似の反応中間体をとることがラマンスペクトルの研究により明らかにされている。CompoundI中間体の電子構造を解明するため、チトクロームc酸化酵素のCompoundI中間体のモデル化を行った。チトクロームc酸化酵素のヘムa_3は、ヒスチジン由来のイミダゾールを軸配位子としてもつ。配位力の極めて弱い過塩素酸イオンを軸配位子として用いること、また配位性のイオンを生成しないオゾンを酸化剤として用いた結果、イミダゾールを軸配位子としてもつCompoundIモデル錯体の合成に初めて成功した。合成された錯体は、鉄4価ポルフィリンπカチオンラジカル状態であること、HOMO軌道に変化がないこと、配位したイミダゾールにはほとんどラジカル電子が分布していないことが明らかとなった。
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