研究分担者 |
前川 禎通 (前川 禎道) 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60005973)
高梨 弘毅 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (00187981)
佐藤 英行 東京都立大学, 理学部, 教授 (80106608)
大塚 洋一 筑波大学, 物理学系, 教授 (50126009)
山本 良一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10107550)
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配分額 *注記 |
132,600千円 (直接経費: 132,600千円)
1999年度: 25,600千円 (直接経費: 25,600千円)
1998年度: 80,000千円 (直接経費: 80,000千円)
1997年度: 27,000千円 (直接経費: 27,000千円)
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研究概要 |
○トンネル接合の積層構造ならびにプロセスを検討することによりトンネル抵抗変化率,1μm2当たりのトンネル抵抗がそれぞれ49%,3kΩおよび30%,300Ωの接合素子を作製した.この成果はTMR効果のMRAMおよび再生磁気ヘッドへの応用に大きく貢献する.また,伝導性のカンチレバーを備えたAFMを用いた局所伝導特性測定によるTMR接合評価法を確立した.(宮崎) ○微細加工された強磁性細線の局所磁化状態を調べる上で,多点での電気抵抗及び横方向電圧の同時測定が有効であることを示し,報告されている異常な振る舞いの多くが,局所的磁化の連続的・不連続回転にともなう異方性磁気抵抗の寄与として説明できることを示した.同時に,それでも説明できない,これまでバルクの強磁性体では報告されていない抵抗の異常な温度依存性等も見出した.(佐藤) ○走査トンネル顕微鏡(STM)を用いて、金属-非金属グラニュラー構造薄膜において、単一電子トンネルによるクーロン階段を室温で観測した.また,クーロン階段と同期して負性徴分抵抗か見られ,スピン蓄積効果による現象であることが示唆された.(高梨) ○強磁性/超伝導/強磁性二重トンネル接合において,2つの強磁性電極の磁化を反平行にした場合,超伝導電極中にスピンが注入される.そのため,印加電圧により超伝導がコントロールされることを示した.これは,磁性と超伝導の新しい相互作用を提案するものである.(前川) ○Fe/Cr金属多層膜に対し,Pbサーファクタントを用いて成長を原子レベルで制御し,Fe/Crの界面構造を急峻にすることに成功した.また,Pbを用いて界面を急峻にしたFe/Cr金属多層膜のGMRの値は,Pbを用いず作製したものに比べ約2倍に増加していることか観測された.この結果,界面構造はGMRの大きさを決定する重要なファクターであり,界面でのスピン依存散乱がGMRの主な原因であることを実験的に解明した.(山本) ○強磁性単一電子トランジスタ(SET)に見られる磁気クーロン振動現象を利用し,強磁性体のスピン偏極率を決定する実験を行った.Al/Ni/Al-SETから得られたNiのスピン偏極率の符号は負であり、これはバンド計算の結果と一致する.しかしその絶対値はかなり小さい.この原因については更に検討する必要がある.(大塚)
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