研究課題/領域番号 |
09236209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
桜井 醇児 富山大学, 理学部, 教授 (30033814)
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研究分担者 |
桑井 智彦 富山大学, 理学部, 助手 (10251878)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 磁性多層膜細線 / 近藤効果 / 熱電能 / 希釈冷凍機 / 磁気熱効果 |
研究概要 |
京都大学・新庄研究室で製作された磁性多層膜の巾1ミクロン以下の細線試料について、電気抵抗測定を希釈冷凍機を用いて最低50mkの極低温領域まで測定した。この結果は20k以下の温度領域で電気抵抗がInTに比例して増加しており、Tx(近藤温度)の高い近藤効果が観測されたと思われた。しかし熱電能の測定を行ったところ、その値は小さく近藤効果的ではなかった。このためにこの磁性多層膜細線試料の磁気に由来する伝導現象の統一理解はまだできておらない。 いずれにしても、InTに比例する低温での抵抗増加は興味があるので、類似試料をより素統的に測定してこの由来を明らかにしてゆきたい。 注目したのは、希釈冷凍機を用いた100mk附近の温度に保って、磁場をかけた時の試料の発熱から磁気熱効果を観測できたことである。極低温のために格子比熱が極めて小さくなっており、磁気熱効果による発熱量が一定でも、温度上昇は敢威となる。このために極めて小さな磁気熱効果でも検出する事が可能となる。磁性多層膜細線の有効磁気体積はは極めて小さいが、この体積からの100ガウス程度での磁化過程に伴う発熱が充分に観測できた。磁気熱効果測定の感度はこのために桁違いに向上したと考えられ、新しい方法の開発に繁かるものとしての実績が上がったと確信している。
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