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金属表面上の磁性イオンクラスターの電子状態

研究課題

研究課題/領域番号 09236218
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

赤井 久純  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70124873)

研究期間 (年度) 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード磁性イオンクラスター / アルミニウム中のコバルト / 磁性不純物 / バンド構造 / KKRグリーン関数法 / 局所密度近似 / 近藤効果 / 微細領域磁性
研究概要

典型元素金属,貴金属の表面に置換した磁性イオンからなるクラスターの電子状態・磁性を計算し,その結果に基づいて,クラスターサイズおよび形状が磁性および物性にあたえる効果を評価し,新しい物理現象の可能性を探ることが本研究の目的である.出発点としてアルミニウム中のコバルト・クラスタをとりあげて,クラスタのサイズを広げたとき生じる磁性について調べた.実験的には,Fe,Co,Niは非アルミニウム中でいずれも非磁性である.一方,局所密度近似の範囲での不純物計算によれば,アルミニウム中のCo,Niは磁性であるが鉄は局所磁気モーメントを持つ.このような食い違いは局所密度近似が束縛一重項の存在を考慮していないため当然のことであるが,不純物がクラスタを作り,それが十分なサイズになれば,解消されるはずのものである.計算は局所密度近似のもとで,KKRグリーン関数法を用いておこなった.まず大きなサイズのユニットセルを含むAI母体に対するバンド計算を実行することにより実空間での母体グリーン関数を作る.母体中に埋め込まれた任意の不純物クラスターの電子状態は,このグリーン関数を用いて,ダイソン型の代数方程式を解くことによって求められる.計算の結果,磁性の現れる最小のクラスターはコバルト原子を3個を最近接の正三角形にならべたものであることがわかった.クラスターのうちこのようなユニットをふくむものは全て磁性的にあるのに対して,このようなユニットを含まない物はサイズが大きくなっても磁性を示さない.特に,同じ三角形のユニットでも頂角が90度のものは非磁性である.頂角が90度をつくる三角形のみを含む場合には反強磁性交番磁場を加えたときの帯磁率がきわめて大きい.実際,非磁性への収束はおそく,収束前の状態は強磁性的配列ではなく反強磁性的であり,反強磁性ゆらぎが大きいことを示している.このことから,このような三角形を並べて作られる一次元鎖は反強磁性的であることが予想される.

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Akai: "Binding surfaces of light interstitials in iron" Physica B. 237-238. 345-347 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] T.Kotani: "Optimized effective potential mehtod for exact exchange energy applied to solids" Physica B. 237-238. 332-335 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] M.Schroter: "Aspect of martensitic phase transformations in transition metal alloys" Physica B. 237-238. 348-350 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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