研究概要 |
Au(100),Au(110),Au(111)の構造変化は負電位にすると表面原子がバルクより約4%短縮し表面の構造の変化がおきる。しかも、この構造変化は電位により可逆的であることから表面原子の原子間距離が電位によって可逆的に変化すると推論できる。この現象は微粒子の晶癖あるいは結晶構造が電位によって変化することが示唆される。本研究ではこのような推論を実験的に証明するために電子顕微鏡と電極反応を組み合わせた新しい実験法を開発し、Au,Ag,Cu,Pt,Pd,Ni,Ir,Rh等のfcc金属について実験を行なった。その結果、負電位では正十面体お及び正二十面体の多重双晶粒子が生成するのに対し正電位では通常のfcc結晶が生成することを見い出した。Auの微粒子について多重双晶粒子の生成する電圧範囲とAu単結晶表面が再構成する電圧範囲を比較すると、再構成が起きる電位と多重双晶粒子が生成する電位は非常によく重なることが分かり、両現象が同じ原因に支配されていることが示唆される。
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