研究課題/領域番号 |
09237239
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福住 俊一 大阪大学, 工学部, 教授 (40144430)
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研究分担者 |
末延 知義 大阪大学, 工学部, 助手 (90271030)
伊東 忍 大阪大学, 工学部, 助教授 (30184659)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 電子移動 / DNA / 損傷 / 電気化学 / 核酸塩基の酸化 / メディエーター / 蛍光消光 |
研究概要 |
DNA損傷は、癌をはじめ様々な疾患の原因となることがよく知られている。しかし、その損傷の度合いをin situで簡便に知る方法はまだ開発されていない。そこで、本研究ではDNAの損傷の度合いを簡便に電気化学的に決定する手法を開発することを目的とする。はじめに、核酸塩基の電子移動反応活性について検討するために、核酸塩基による種々の光増感剤の電子移動による蛍光消光からその電子移動速度定数を決定した。その結果,蛍光消光から求めた核酸塩基の電子移動反応速度定数(k_<et>)は、GMPが最も高く、ついでAMP、TMP、CMPの順となることがわかった。これらk_<et>の対数を各種光増感剤の一重項励起状態の一電子移動還元電位に対してプロットすると、電子移動に特有の相関関係が得られ、核酸塩基の一電子酸化電位は、GMP,AMP,TMP,CMPの順に大きくなることがわかり、GMPは他の核酸塩基に比べて著しく電子移動酸化活性が高い事がわかった。また、DNA中のグアニンとRu(bpy)^<3+>_3との電子移動反応速度定数はk_<obs>=7.9×10^3M^<-1>s^<-1>であった。この値はGMPに比べ1/32であり、DNA中ではグアニンの酸化活性は顕著に低下することがわかった。この電子移動速度定数の値ははRu(bpy)^<3+>_3をメデイエーターを用いたサイクリックボルタンメトリーから得られた結果とほぼ一致した。また、電子移動速度定数の値はDNA中のグアニン量に比例し、DNAの損傷に伴い低下することがわかった。従って、この電子移動速度とDNAの損傷の度合いとの関係を詳細に調べることにより、DNA損傷セイシングのとして使用できるめどが立った。
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