研究課題/領域番号 |
09237240
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平尾 俊一 大阪大学, 工学部, 教授 (90116088)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | π-共役系高分子 / ポリアニリン / 共役錯体 / 遷移金属 / ポテンシャル場 |
研究概要 |
電極界面における電子の動きの高効率化を達成するため、共役遷移金属錯体システムを設計した。このシステムでは、π-共役系高分子のヘテロ原子に配位した遷移金属間の電子的なコミュニケーションが可能になると考えられる。すなわち、遷移金属のポテンシャル場を含めた従来にない機能的なポテンシャル場が形成され、電極界面における効率的な電子系を構築できると考えられる。本年度は、π-共役系高分子のド-ピング、遷移金属錯体の配位子設計を組み合わせ、より有用なレドックスシステムを開発した。また、このシステムの評価を分光学的、電気化学的に行い、その電子機能を明らかにした。 1)有機溶媒に可溶なポリアニリン誘導体としてポリ(o-トルイジン)のエメラルジン塩基を用いた。塩化パラジウム(II)や酢酸パラジウム(II)でポリ(O-トルイジン)を処理したところ、対応するパラジウム錯体が形成された。モノマーユニット:パラジウム=4:1の錯形成が確認された。一方、配位座が一つのみ空いた窒素系配位子を有するパラジウム錯体を用いたところ、モノマーユニット:パラジウム=2:1の錯形成が確認された。このように配位座の違いが錯形成に反映されることが判明した。前者ではパラジウムで架橋した錯体が形成されたと推測される。後者のシステムでは、一鎖にのみ配位した錯体が形成されたと思われる。配位部位はモデル化合物との比較より、イミン部位が妥当であることが明らかになった。 2)酢酸鋼(II)との錯形成は、パラジウムとは全く異なることが、紫外可視スペクトルで確認された。以上の如く、π-共役系高分子であるポリアニリン誘導体の特性に基づいた、機能的界面電子伝達のための新規共役錯体システムの創製のための基礎的知見が得られた。
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