研究課題/領域番号 |
09239205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
金光 義彦 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (30185954)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ナノクリスタル / 量子サイズ効果 / 表面効果 / フォノン / ポリシラン |
研究概要 |
ナノメートルサイズの微結晶では内部原子数に対する表面原子数の比が非常に大きくなるため、表面が物性を支配する可能性がある。従ってナノメートル微結晶の研究では、表面構造が同定されている試料を作成する必要がある。表面にSiO_2層を持つc-Siナノ構造として、SiH_4のマイクロ波分解法で作製されたSiナノクリスタルを用いた。一方、水素終端のナノクリスタルは、フッ酸水溶液中で陽極化成することで作成した。 水素終端ナノクリスタルと表面酸化層を持つナノクリスタルの発光スペクトルのピークエネルギーのサイズ依存性を研究した。水素終端ナノクリスタルの発光スペクトルはサイズに敏感で、吸収スペクトルのサイズ依存性に類似している。一方、酸化発光スペクトルは微結晶のサイズ変化に対して鈍感で、ほとんど同じような形状のスペクトルを示す。水素終端ナノクリスタルの発光エネルギーのサイズは、量子閉じ込め効果で説明可能であるが、酸化ナノクリスタルの依存性はうまく説明できない。一方サイズが5nm以上では、発光特性は表面構造に依存しなくなる。 ポーラス層の微結晶の直径は約3nm程度であり、この程度の大きさの水素終端ポーラスシリコンは、バルクc-Siと同様に間接遷移型半導体であることがわかった。一方、表面酸化層を持つSiナノクリスタルでは、明確なフォノン構造は観測されない。励起子の表面局在性が強く、吸収でのフォノンの寄与を覆い隠してしまうものと推測される。さらに非常にサイズの小さな微結晶やクラスターでは、Si-O-Siの伸縮振動に起因した構造が観測できる。これら、c-Si/SiO_2系のナノクリスタルでは、酸素に関連した表面状態からの発光が重要であることを示唆している。
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