研究課題/領域番号 |
09239221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
辻 康之 岐阜大学, 工学部, 助教授 (30144330)
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研究分担者 |
川村 尚 岐阜大学, 工学部, 教授 (40026125)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ジシラン / ジスタナン / 酸化的付加 / 分子内回転 / フラクショナル |
研究概要 |
我々はこれまでにジシラン(R_3SiSiR_3)、ジスタナン(R_3SnSnR_3)、シリルスタナン(R_3SiSnR_3)の第14族元素間のσ-結合を錯体触媒で活性化することを鍵反応とする一連のシリル化、スタニル化反応を見いだしてきた。これらの反応においては、錯体触媒金属中心への14族-14族元素間のσ-結合の酸化的付加反応が重要であると考えられている。実際我々は最近ビス(スタニル)ビス(ホスフィン)白金錯体(1)をジスタナンの酸化的付加反応のより合成単離し、新規な単分子分子内回転反応を見いだした。本研究においてはこのフラクショナルな挙動が1だけに見られる特殊な現象ではなく、ビス(シリル)ビス(ホスフィン)白金錯体(2)さらにビス(スタニル)ビス(ホスフィン)パラジウム錯体(3)においても見られることを明らかにした。cis-[Pt(SiPh_2Me)_2(PMe_2Ph)_2](2a)は対応する塩化物とシリルリチウムの反応により合成した。2aのX線結晶構造解析によるとPtP_2とPtSi_2平面のなす二面体角は38.1°であり、錯体の構造は平面からかなりねじれていた。また錯体の温度可変^<31>P{^1H}NMRによると、錯体はフラクショナルな挙動を示し活性化パラメータとしてΔH^‡=57±2KJmol^<-1>、ΔS^‡=17±9Jmol^<-1> K^<-1>なる値が得られた。さらにジシランの酸化的付加反応により、cis-[Pt(SiFMe_2)_2(PEt_3)_2](2b)を得た。2bの温度可変^<29>Si{^1H}NMRにおいては2aの^<31>P{^1H}NMRと同様、フラクショナルな過程(ΔH^‡=34±1KJmol^<-1>、ΔS^‡=-60±6Jmol^<-1> K^<-1>)においてスピン-スピンカップリングは維持されており、分子内的に核スピン状態が保持されていることが示された。
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