研究課題/領域番号 |
09240220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
梶原 莞爾 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (10133133)
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研究分担者 |
浦川 宏 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (10183211)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ポリマクロモノマー / 小角X線散乱 / 計算機シミュレーション / 糖鎖 / コンフォメーション / 分子モデル |
研究概要 |
糖鎖を側鎖にもつポリマクロモノマーが分子認識機能を示すことが最近明らかにされつつある。その認識機構は分子鎖形態と複数の鎖が構築する超分子構造に由来するとされている。本研究は、放射光利用小角X線散乱法と計算機シミュレーションを用いた分子モデリングとを組み合わせ、それらの構造を明らかにすることを目的とする。まず、糖鎖の溶液中及びゲル状態における構造を、ジェランガム、アルギン酸及びスクレオグルカンについて検討した。これらの鎖は溶液中では比較的剛直な棒状の形態をとり、ゲル状態ではより大きな断面をもつ棒状粒子の存在として観察された。この棒状粒子は架橋ドメインに相当する。このドメインを種々の分子鎖会合モデルを用いて検討する事でゲル構造とゾルゲル転移を説明した。さらに架橋ドメインを分子モデルで構築し、そのモデルから計算される散乱関数が実測小角散乱曲線をよく再現することを見出した。オリゴ糖の水溶液中の分子鎖形態も同様な手法で検討できることを示した。次に、分子量の揃った側鎖を規則的な間隔にもつ分岐高分子であるポリマクロモノマーについて溶液構造を検討した。側鎖がポリスチレンの場合には側鎖間の弾性反発により見かけ上剛直な円柱状の分子鎖形態をとることを明らかにしている。側鎖が2,3,5,7糖残基のオリゴマルトースであるポリマクロモノマーについて小角X線散乱実験と光散乱実験から分子量、形態が棒状であること及び棒の断面の大きさなどの形態に関する知見を得た。これらの結果を基に分子、モデリングの手法で溶液中の形態をさらに検討した。このポリマクロモノマーの主鎖は疎水的な化学構造であるため親水性の側鎖を水相(外側)に突き出させ、全体の形が棒状であることを考慮すると、主鎖の形態は螺旋に近い構造をとっていると結論できた。
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