研究課題/領域番号 |
09240224
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林田 修 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 助教授 (20231532)
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研究分担者 |
青山 安宏 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 教授 (00038093)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 糖クラスター / シクロファン / 分子間相互作用 |
研究概要 |
(1)糖クラスターの会合挙動 水中におけるTetrakis-typeおよびOctakis-type糖クラスターの会合挙動を表面張力法により検討したところ、グルコース及びガラクトース残基を導入したTetrakis-typeの糖クラスターでは明確な臨界会合体形成濃度を示さず、比較的に低濃度から会合が進行していることがわかった。一方、長鎖アルキル基を有するOctakis-typeの糖クラスターの場合にはCACが約40mMと判断された。 (2)糖クラスターのコンホメーション 水中でのCDスペクトルの測定から、Tetrakis-typeの糖クラスターは剛直な分子骨格を有しており、糖部位が単糖、二糖、三糖となるに従って糖残基の不斉性に応じたキラリティーが増すことがわかった。また、比較的に柔軟な分子構造をとりうるOctakis-typeの糖クラスターは導入したアルキル鎖の長さにより安定なコンホメーションが異なり、長鎖アルキル基を有する糖クラスターではConeコンフォーメーションをとり、長鎖アルキル基を持たない場合には1,3-alternateコンフォメーションをとることがコンピュータ解析から示唆された。 (3)分子内空洞の微視的環境 低温恒温水槽中で、ANSを糖クラスターに取り込ませ、分子内ミクロ環境を評価した。Tetrakis-typeの糖クラスターでは糖部位が単糖、二糖、三糖となるに従って分子内空洞の疎水性が増すことがわかった。 (4)疎水性表面への固定化と分子間相互作用 表面がアルキル基で覆われた疎水性のセンサーチップに両親媒性のOctakis-(Galb1-4GlcA)HostC11及びOctakis(Glca1-4GlcA)HostC11を固定化することで、バルク側に糖残基を配向・集積させた糖修飾表面を構築した。固定化挙動は表面プラズモン共鳴法により評価し、得られたDRU値から、1分子当たりの占有面積が約4.6nm2であることがわかった。これは直径21〜23Åの円に相当し、かつ糖クラスター分子の直径にほぼ等しいことから、いずれも密に充填した単分子層が形成されているものと判断された。
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