研究課題/領域番号 |
09240237
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
中村 茂夫 神奈川大学, 工学部, 教授 (10011008)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ビオロゲン構造 / セルロース / 酸化還元挙動 / ヒドロキシエチルセルロース / ヒドロキシプロピルセルロース |
研究概要 |
ビオロゲン構造を有するセルロール誘導体は、合成高分子のビオロゲン誘導体に比べて親水性であり、安定な親水性膜を形成し、良好な高分子電子キャリヤ-となることが期待される。そこで、セルロースの側鎖にできるだけ多くのビオロゲン構造を導入し、その酸化還元挙動を検討するとともに、各種センサー、光電変換素子などの応用をはかることを目的とする。 本年度は、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)およびヒドロキシプロピルセルロース(HPC)から、そのトシル化誘導体(OTs)を中間体として、その側鎖にビオロゲン構造を導入するための反応条件を検討するとともに、得られたビオロゲン誘導体の酸化還元挙動について検討した。 得られたHEC-OTsを用いて、非プロトン性極性溶媒を用いる均一系で、ペンダント型(1)および架橋型(2)のビオロゲン誘導体を合成するとともに、クロロホルムを溶媒に用いて成膜と同時に四級化反応を行ない、ビオロゲン誘導体膜(3)の合成を行なった。ビオロゲン誘導体(1)は、Na_2S_2O_4水溶液で還元することによってビオロゲンカチオンラジカル(V^+)の生成にもとづく青色を呈し、その電子スペクトルには664nmにV+にもとずく極大が観察される。598nmに吸収が現れることから、ビオロゲンカチオンラジカル(V+)は会合しないで単量体を形成していることを示している。また、ビオロゲン誘導体(2)、(3)においても同様なスペクトルが観察されている。これらの膜は、空気中で太陽光により瞬時に還元され、青色の膜に変化し、光を遮断すると空気中の酸素で酸化され、色が消えた。 HPC-OTsを中間体とするHPCからのビオロゲン誘導体もまったく同様の挙動を示したがHECからのビオロゲン誘導体の方が第一還元電位は高くなった。
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