研究概要 |
EOプローブは非接触で回線からの漏れ電界を電気光学効果を介して光学的に測定するものである.現在のプローブは無機の非線形単結晶を用いていて,サブミリの分解能であり,感度も十分ではない.有機ポリマーや結晶は,分子構造の設計の自由度の多さから,無機結晶と比較して10-100倍の電気光学効果が期待されている.また,製作も容易で,加工も可能である. 本年度取り扱った材料は,PMMA(poly-methyl metacrylate: (C_5H_8O_2) _n)中に非線型色素であるDR-1(dispersive red 1(3wt%))を拡散したもの,側鎖型ポリマーであるPMPD(cromophre(DR1)liading level 78%),および,MNA(2-methyl 4-nitroaniline)単結晶の3種である.ポリマー材料は基板にスピンコートした後ガラス転移点温度以上に加熱しながら電界をかけポーリングを行い配向をそろえた.一方結晶は単結晶化のためにゾーンメルト法を用いた.非線形定数の測定を測定した結果側鎖ポリマーおよび有機結晶は60〜70pm/Vであることがわかった. プローブは誘電体ミラーは入射光に共振するように設計されている.直線偏光を入射した場合膜の光路長はnλ/2のとき光は膜内に閉じ込められ外側はエバッネセントモードとなる.屈折率が変化し,共振条件がくずれるとエバネッセント波は伝播光として放出される. MNAは結晶であるのでポーリングの必要がなく非線形定数も大きい.これを石英ガラス細管に充填し再結晶化することによりファイバー型のマイクロプロープの製作を行なった.また,PMMA(DR-1)に電子ビームを照射することにより色素を分解することができる.これにより波長以下の構造を持つ機能的なプローブを作成すること可能となった.現在0.2μmの線幅で加工を行っている.
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