研究課題/領域番号 |
09241208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀江 一之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10013690)
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研究分担者 |
大澤 日佐雄 株式会社ニコン, 筑波研究所, 研究員
町田 真二郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20262032)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 近接場光学 / 単一分子分光 / 光化学過程 / 亜鉛ポルフィリン誘導体 / 高励起状態からの電子移動 / ポリケイヒ酸ビニル / 光二量化反応 / 屈折率変化 |
研究概要 |
近接場光学顕微鏡(NSOM)を用いて少数分子の光化学過程を追跡するには、測定光が反応を起こさない工夫が必要である。本研究では、少数分子光化学の追跡に適した試料を以下のように探索し、見いだした。 (1)分解性の電子受容体であるクロロホルムと共にPMMAフィルム中にドープされた亜鉛ポルフィリン誘導体(ZnTTBP)の、S_<0->S_2吸収帯(ソ-レ帯)を励起したときとS_<0‐>S_1吸収帯(Qバンド)を励起した場合とで、電子移動の量子収率を比較した。試料は、PMMA中に色素・電子受容体を分散し、表面にPVA薄膜をスピンコートして作成した。442nm(He-Cdレーザー)でS_<0->S_2吸収帯を励起した場合、633nm(He-Cdレーザー)照射(S_<0->S_1吸収帯を励起)のときに比べて10倍以上高い量子収率を示した。ZnTTBPは、赤色の蛍光を発し、蛍光観察が可能である。今後、さらに反応量子収率の波長依存性の大きな材料系を探索すると共に、これらの試料に対して反応前後におけるNSOM像を観察する予定である。 (2)ポリケイヒ酸ビニル(PVCm)の光二量化反応(左下図)における反応前後の屈折率変化をm-line法により種々の波長で測定し、NSOM観察に利用できる可能性を検討した。543nmで最大0.0463(2.8%)の屈折率変化が得られた。共鳴領域に近い442nmではさらに大きな屈折率変化が予想される。今後、良好なS/N比でNSOM像を得ることにより、非共鳴領域での屈折率変化により光化学反応の観測を試みる予定である。
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