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原子間力分光法を用いたニアフィールド信号の物質依存性の測定と解析

研究課題

研究課題/領域番号 09241224
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関大阪府立大学

研究代表者

岩田 耕一  大阪府立大学, 工学部, 教授 (20081242)

研究分担者 菊田 久雄  大阪府立大学, 工学部, 助手 (10214743)
中野 隆志  通商産業省, 工業技術院・産業技術融合領域研究所, 研究員
研究期間 (年度) 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
キーワード近接場顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / マイクロカンチレバ- / 熱応力 / 熱変形
研究概要

平成9年度は、原子間力とニアフィールド信号を同時に測定する方法について検討を行った。とくに、原子間力顕微鏡(AFM)の探針をエバネッセント場内に持ち込んだときに発生するカンチレバ-の熱変形について考察し、実験および解析的にその様子を明らかにした。
AFMの探針を近接場顕微鏡のエバネッセント場内に持ち込むと、AFMレバ-がたわむことを実験で確認した。そのたわみ量を力に換算すると10^<-10>〜10^<-12>N程度であり、この値は通常報告されているエバネッセント場で働く光の力(10^<-12>N)と同程度またはそれ以上の大きさであった。この原因を探るために幾つかの実験を行った結果、レバ-のたわみは光の力より散乱光による熱変形が支配的であることが分かった。探針で散乱された光がレバ-内で吸収され、レバ-に熱変形が生じる。とくに、レベ-の変位検出のために施されている金属薄膜によって、レバ-は線膨張の異なる2層構造を構成することになり、温度変化がたわみを引き起こす。この現象は金属コートの厚さが増すほど顕著であった。また、エバネッセント場を強度変調すると、レバ-振動の周波数特性は光の力で現れる2次遅れ的なものにならず、低周波数領域において振動振幅の減衰や位相遅れが現れる複雑なものであった。
そこで散乱光が引き起こす熱変形について理論解析を行い、その特性を数値計算で調べた。その結果、熱変形の解析結果が実験による複雑な周波数特性とよく一致することが分かり、レバ-のたわみの主な原因が熱変形であることが裏付けられた。熱変形の解析では、2層構造のカンチレバ-に対し、散乱光の吸収による温度分布とそれによる熱応力を求め、これが引き起こすレバ-振動の様子を求めた。また、エバネッセント波を共振周波数付近で強度変調すれば、熱変形の影響が少なくなり、光の力を計測できる可能性があることが分かった。

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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