研究課題/領域番号 |
09242202
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
丸川 健三郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20001191)
|
研究分担者 |
武澤 和義 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80001311)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1997年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | マルテンサイト変態 / 合金規則度 / 長範囲規則度 / 短範囲規則度 / モンテカルロ法 / 銅合金 / 銀合金 |
研究概要 |
よく知られているようにマルテンサイト変態は合金材料において、形状記憶効果をもたらす結晶相変態である。従って、形状記憶材料の制御性を高めるためには、マルテンサイト変態を制御する必要がある。相変態の制御は一般には困難であるが、マルテンサイト変態の場合には、合金規則度の制御を通じて変態を制御できる可能性がある。本研究はこのような可能性を念頭に置きつつ、マルテンサイト変態の変態温度と合金規則度との関係を定量的に明らかにすることを目的とした。 規則度の制御は次のように行う。まず、合金試料の高温母相からの急冷により、不規則状態ないしは規則度の低い状態を実現し、その後の母相状態での低温の時効熱処理により、規則度の高い状態を作る。また、これに続き、変態をおこさせた後でマルテンサイト相での熱処理によっても規則度を変化させることができる。このような、規則度変化と変態温度との関係を実験的にまた理論計算によって調べ、つぎのような結果を得た。 (1)銀合金で長範囲規則度と変態温度との関係を調べ、長範囲規則度の2乗と変態温度変化のと間に直線関係のあることを見出した。ただし、規則度は電気抵抗率測定により推定した。 (2)銅合金でマルテンサイト相での時効を行い、このときの電気抵抗率変化と逆変態温度変化との間によい直線関係があることを見出した。この場合の抵抗率変化も規則度変化に対応している。 (3)マルテンサイト相での時効変化をモンテカルロ法によって数値計算により追跡した。長範囲規則度も短範囲規則度もともに変化するが、それらの変化がほぼ同時に起こることを明らかにした。また、理論的に変態温度と短範囲規則度との関係を求め、両者の間に直線関係のあることを示した。
|