研究課題/領域番号 |
09242217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村田 純教 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10144213)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 鉄ニッケル合金 / 状態図 / 電子線照射 / 相変態 |
研究概要 |
高速電子線照射によって多量の原子空孔を導入することにより原子拡散を加速し、未だ不明確なFe-(25〜60mol%)Ni二元系の500K以下の状態図を調べた。 トリアーク炉によりFe-(25〜60)mol%Ni二元系合金を溶製した後、圧延によって板材とした。この板材を均質化と溶体化を兼ねて1323Kで86.4ksの熱処理をした後、放電加工およびジェット電解研磨により電子線照射用TEM試料を作製した。この試料を超高圧電子顕微鏡の加熱ホルダーにセットして423Kあるいは473Kで2MeVの電子線を7.3X10^<23>em^<-2>s^<-1>の割合で600s〜3ksの間照射し、照射後の状態変化を通常の電子線回折法により調べた。 423Kで1.2ks電子線照射したFe-40mol%Ni二元合金の[001]回折像に明瞭に{h00}、{hh0}規則格子反射が現われた。同様な規則格子反射はFe-60mol%Ni二元系合金でも認められた。これらのことから、Fe-Ni系ではNiの広い組成範囲で規則化が生じていることが確認された。ここで、Fe-60mol%Ni合金で観察された規則格子反射は従来から知られているNi_3FeのLl_2型規則相によるものと考えられる。これに対し、50mol%Ni以下の鉄側の組成では、Ll_0型規則相のバリアントが共存する場合と、Ll_2型規則相である場合の2つが考えられる。これを区別するため、各規則格子反射による暗視野像を比較して確認した結果、Ll_2構造の存在が明らかとなった。また、40mol%Niおよび60mol%Ni二元系合金の照射後の明視野像には周期的濃度変動を示唆する周期的ントラストも得られた。一方、Fe_3Niの化学量論組成であるFe-25mo%Ni合金では、規則格子反射の他に複雑な散漫散乱を伴った[001]回折像が得られた。これらのコントラストが何に起因するかは現時点では確定できていない。
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