研究課題/領域番号 |
09242224
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中田 芳幸 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (40164214)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | アモルファス / Ti-Ni / G-Pゾーン / 電子顕微鏡 / 高分解能 / 析出 / 結晶化 / 時効 |
研究概要 |
スパッタ法により作製したTi-Niアモルファス合金は、370℃に加熱しても依然としてアモルファスのままであったが、400℃で時効した場合には速やかに結晶化が進行し、アモルファス領域は観察できなかった。また、G-Pゾーンに類似した像やその他の析出物に相当するような像も観察されなかった。420℃で時効した場合は、小さな短い筋状の像が見られたが、さらに高温で観察されるG-Pゾーンに比べて、コントラストは弱かった。しかし、420℃で時効した試料の電子線回折図形では、<100>^*方向に強いストリークが観察され、G-Pゾーンが高密度に生成していることが分かった。このことから、明瞭なコントラストが得られなったのはG-Pゾーンが小さく母相に対するひずみも小さいためと思われる。本研究で観察したG-Pゾーンは面方向のみならず、面に直角の方向にも成長するように思われる。実際、500℃で時効した試料の高分解能観察では、数原子層うの比較的厚いものから1原子程度の薄いものまで分布していることが分かった。また、高分解能観察において注目すべき点は、G-Pゾーン内の格子面が母相のそれとつながっている点である。このことから、G-Pゾーンは母相と同じBCC格子を基本とした構造であると考えられる。今回実験に用いた試料がTi過剰であること、また、400℃で時効した場合試料ではB2相以外の第2相は観察されなかったことをを考慮に入れると、G-Pゾーン生成は一旦Ti過剰のB2相が生成した後、Niサイトにとけ込んだTi原子がひずみを緩和するため、(100)面上に集まってきたものとして理解できる。この構造は、母相の格子と良く整合するため、準安定でありながら、平衡相に先立ち生成したものと思われる。
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