研究課題/領域番号 |
09242225
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金道 浩一 大阪大学, 極限科学研究センター, 助教授 (20205058)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 強磁場 / 磁化 / 相変態 / マルテンサイト / Dycu |
研究概要 |
これまで、磁場誘起マルテンサイト変態は、磁化過程から判断すると10μ秒オーダー以下の短い時間で変態が起こっていると考えられ、様々な研究が0.4ミリ秒のパルス幅を持つマグネット(ショートパルスと呼ぶ)によって行われてきた。ところが、Fe-24.5Ni-6.2Mn(at.%)における常磁性から強磁性への磁気転移を調べる際に40テラス以上での測定が必要となり、パルス幅が8ミリ秒のマグネット(ロングパルスと呼ぶ)を用いた測定を行ったところ、二段階に転移する変態が観測された。高磁場側に見られる磁化のとびはショートパルスによってヘリウム温度から観察されている臨界磁場と連続的につながっており、自由エネルギーなどから求められる臨界磁場とよい一致を示している。低磁場側の磁化のとびはショートパルスでは観測されなかっただけでなく、非常にブロードでこれまでの考え方では説明ができない。しかし、磁場発生時間がショートからロングへ変わったことと、マルテンサイト変態には時間に依存する転移があることも考えれば、低磁場の転移は等温変態的な性格を持ち、高磁場の転移は非等温的であると考えることによって現象は整理できる様に見える。しかし、この考え方には多くの仮定がある。例えば、本来非等温であるはずの変態が磁場中でのみ等温変態に近い振舞いをするとか、その振舞いもショートでは観測されずに、ロングならば観測されるという様に、転移が起こるまでの時間が有効に残るなどである。今後、パルス幅や温度などを変えてこの現象を明らかにしたい。 もう一方の研究テーマであるDy化合物の磁化仮定についてはtriple-q構造を持って反強磁性オーダーするDyCnの容易軸方向<111>で55テスラまで磁化測定を行い、初じめて飽和までの全磁化過程を観測した。磁化過程には四重極相互作用が重要な働きをすることがわかった。
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