研究課題/領域番号 |
09242227
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
松尾 欣枝 奈良女子大学, 理学部, 教授 (00031675)
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研究分担者 |
山本 一樹 奈良女子大学, 理学部, 助手 (20270853)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 準結晶 / 相変態 / フェイゾン歪 / 近似結晶 / X線回折 |
研究概要 |
準結晶-結晶相変態の研究において最も重要となるのが、準結晶の構造とその安定性に関する情報を得ることであり、そのためには良質の単準結晶を用いることが不可欠となる。ただし、準結晶は周期性を持たないため、その構造を解析する事は難しい。従って、まず我々は別添論文(1)に示すように、Al-Pd-Mn系の近似結晶の構造解析を行う事により、準結晶を構成しているクラスターに関する情報を得た。 一方、準結晶の安定性に関しては通常の結晶と異なり、フォノンとフェイゾンの2種類の物理量が関係しており、フェイゾンにはリニアーフェイゾンとランダム-フェイゾンがある。前者はブラッグピーク位置の理想位置からのシフト、又は、ブラッグピークの分裂として観測され、後者はピーク幅の広がりとして観測される。我々は、別添論文(2)に示すように、Al-Pd-MnD相準結晶の単準結晶についてX線回折法を用いてピーク位置及びピークプロファイルの精密測定を行った。その結果、リニアフェイゾンの定量測定に成功し、その歪量の大きさにより、D相は2つのタイプに分けられる事を明らかにした。さらに、タイプ1において歪量が特殊な条件を満たしている事が明らかになり、準結晶から結晶への変態にフェイゾンが重要な役割を果たしている事が分かった。これらの結果は平成9年5月に、日本で開かれた第6回準結晶国際会議において報告し、注目された。それが別添論文(3)である。
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