研究課題/領域番号 |
09242231
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
友清 芳二 九州大学, 工学部, 教授 (40037891)
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研究分担者 |
松村 晶 九州大学, 工学部, 助教授 (60150520)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | Siウエハ- / 電子回折 / SiO_2結晶 / Si中の酸素析出物 / α-クリストバライト / ゲッタリング / Siの不純物ゲッタリング / ゲッタリングシンク |
研究概要 |
研究代表者は最近、電子回析法によるSiウエハ-中の不純物吸着(ゲッタリング)機構の解明に挑戦している。ゲッタリング場所として導入されている酸素析出物は熱処理によってその形態と構造が異なり、その結果ゲッタリング効果も違ってくる。1000度Cの熱処理で生成される板状酸素析出物はゲッタリング効果が大きいといわれているが、その結晶構造は不明である。本研究では透過電子顕微鏡による構造解析をおこなった。板状酸素析出物の構造が解明されていない理由は析出物が微小であること、数が少ないことの他に、電子線照射に対して弱いことが考えられる。そこで、電顕用薄膜試料作製にはArイオン研磨でなく、化学研磨を用い、さらに電顕観察時間を極力短くすることをこころがけた。以下に本年度の成果を要約する。 (1)酸素析出物は厚さ2-3nm、一辺の長さが500nm程度の板状であり、板面はSi母相の{100}面に平行、側面は{011}面に平行である。 (2)加速電圧1000kVで観察した電子回折図形でSi母相以外からの弱い回折斑点が観測され、解析の結果α-クリストバライト(SiO_2:正方晶)で指数づけできた。ただし、析出物の格子定数はx、y方向に5%伸び、z方向に4%縮んでいた。 (3)Si母相と析出物の方位関係は[411]Si||[211]SiO_2、[521]Si||[532]SiO_2である。これは、析出物のz軸がSi母相のz軸から[110]方向に約35度傾斜している事を示す。 (4)Si母相の[001]から少し傾斜した方向から入射した回折図形では板状析出物に垂直方向にストリークを伴った弱い回折斑点が現れ、その暗視野像では析出物が明るいコントラストを呈した。 (5)析出物からの弱い回折斑点は電子顕微鏡観察開始後数分で消失した。
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