研究課題/領域番号 |
09243213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
坪川 紀夫 新潟大学, 工学部, 教授 (20018675)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | カーボンブラック / アルミナ薄膜 / ポリマーの表面グラフト / ゾル-ゲル法 / アロイ / アルミニウムイソプロポキシド / ガスセンサー / NTC素子 |
研究概要 |
ゾル-ゲル法により合成したカーボンブラック・アルミナアロイの合成と、そのガス応答性について検討し、以下の成果が得られた。 1.アゾ基やカルボキシル基を導入したカーボンブラックの存在下で、メチル_-2_-オキサゾリン(MeOZO)、ビニルピロリドン(MVPD)、及びN,N_-ジエチルアクリルアミド(DEAAm)の重合を行うと、アルミニウムアルコキシドと相溶性に優れたこれらのポリマーが粒子表面へグラフトできることが分かった。 2.上記のポリマーをグラフトしたカーボンブラックの存在下で、アルミニウムイソプロポキシドの加水分解重縮合(ゾル-ゲル反応)を行うと、カーボンブラックが分子レベルで均一に分散した状態で反応が進行し、グラフト鎖が水素結合を介してアルミナゲル中に組み込まれたカーボンブラック・アルミナゲルアロイ薄膜が合成できることを見出した。 3.カーボンブラック・アルミナアロイ薄膜を塗布した電極を水蒸気やアルコール蒸気に曝と、その抵抗値が著しく減少し、乾燥空気中へ戻すと速やかに初期抵抗値へ戻ることを発見した。また、相対湿度やアルコール蒸気圧とこれらの複合体の抵抗値には良い相関関係が認められた。この様な、現象は複合体中のポリマーが水蒸気やアルコール蒸気を吸収することによるマトリックスとの水素結合の解離に基づき、カーボンブラック粒子相互の導電回路が変化するためと推察した。 4.ポリDEAAMをグラフトしたカーボンブラック・アルミナアロイの水蒸気中における抵抗値は、32℃付近で著しく減少し、優れたNTC特性を示すことが分かった。 5.以上の結果から、本研究で得られたカーボンブラック・アルミナアロイは、新規のガスセンサーやNTC素子への応用の可能性があることが明らかとなった。
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